茶の湯入門7 《釜・鉄瓶の取り扱い方》
釜は鉄器であり、その表面は年月を追い、酸化します。経年による変化は面白い持ち味を釜に与えますが、それは、使用保存手入れにより左右されます。 以下に記す注意を良くお読みになり、適切なお取り扱いをお願いいたします。 |
▼ 新しい釜を使い始める時には |
匂いをとるため、最初に釜に湯を3分の1くらい入れ、これに重曹を大さじ2〜3杯入れてよく溶かし、沸かします。その後、湯を2回取り替えて沸かし、3回目から飲用とします。 |
▼ 釜の湯は |
炭、電熱、IH機のいずれかにて沸かしてください。 練炭、ガスの使用は釜をいためますので、おやめください。 |
▼ 釜の表面は |
手の脂から錆びますので、外側を直接手で持つことは避けてください。 万が一、釜に手の脂や他の脂気がついた場合は熱湯でその部分を洗い温湿布、または乾いた布で軽く拭き取ります。 |
▼ 使用後の釜は |
湯または水にて軽く洗い、表面及び底の灰や湯垢をよく落とし、脂気や糊気のない柔布または晒木綿などで軽く水気を拭き取ります。 炉の残り火等の遠火や余熱で充分に乾かします。 出来れば二昼夜位風通しの良い場所に置いて完全に湿気を除く事が必要です。 よく乾燥させることが重要で、干しにくい部分は整髪用ドライヤーで外側、内側から遠風を当ててやると良いです。 釜蓋の使用後の手入れは釜同様ですが、摘みを下にしてよく乾かします。 |
▼ 使用後の釜の保存について |
何も包まずにそのまま箱に入れておくのが一番良く、動かないよう箱の底に十字受けや円座を作るのも一つの方法です。 移動するときのみ、紙や布でしっかりとくるんで下さい。 釜の保存場所はできるだけ乾燥した風通しの良い場所に棚を作って置くのが最適です。 床に直に置くのは避けた方が賢明です。 |