ミゲル・トーレス
【トーレス家とワイナリーの歴史】
1870年ミゲル・トーレス社はヴィラフランカ・デル・ペネデスに、ドン・ハイメ・トーレスによって設立されました。トーレス家のぶどう栽培の歴史は長く約300年にわたりますが、トーレス社としてワインを醸造し、販売を始めたのは1870年。輸出を視野に入れていたため、ワイナリーはヴィラフランカの駅の近くに作られました。 創業からわずかの間に、1873年ウイーン、76年フィラデルフィア、88年バルセロナと国際コンクールで高評価を得て、世界にトーレスの名声が知れわたっていきました。1904年には当時のスペイン国王、アルフォンソ13世がトーレス社を訪れ、同社の誇る50万リットルの大きな木樽の中で昼食をお召し上がりいただくという栄誉を受けました。 3世代目となる、ミゲル・トーレス・カルボが社長を務めていた1939年には自慢の大きな木樽を含むワイナリーの一部の施設が、スペイン内戦の犠牲となり爆破されてしまいました。しかし、これを機に、トーレス社はワイナリー再建後に、今まで木樽で販売していたワインをボトルに詰めて販売を始めました。これがさらにトーレスのワインを世界に広めさせたのです。 1954年にはこの地方を代表するぶどう品種を使い、土地の個性を反映させたワインを作りたいという思いから、スペインを代表するワイン「サングレ・デ・トロ」は誕生しました。発売から50年以上たった今も世界中で抜群の人気を誇っています。 4世代目で現在社長を務める、ミゲル A.トーレスは世界を見据え、1966年にはカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネを植樹したり、発酵にステンレススティールタンクを導入したり、醸造家として栽培・醸造面で新たな取組みを行いました。その結果、1979年にフランスの権威あるレストランガイド、ゴー・ミヨ誌主催で開催された、パリ ワイン・オリンピックで「マス・ラ・プラナ1970」がボルドーのトップシャトーを抑えてカベルネ部門で優勝し、トーレスは世界のトップワイナリーの地位を確立しました。 また、チリの「ミゲル・トーレス チリ」、カリフォルニアの「マリマー・トーレス」といった海外で設立したワイナリーやスペイン国内でもペネデス以外の産地のワイナリーでトーレスの遺伝子を受け継いだワイン造りを行っています。 このような様々な功績が世界で認められ、米国のワイン専門誌「ワインスペクテーター」の25周年記念誌において、トーレス家が「Hole of Fame」(殿堂入り)、英国の酒類業界誌「ドリンクス・インターナショナル」において、2011年、2012年と2年連続で、「ヨーロッパで最も称賛されるワインブランド」に選出されました。また、ミゲル A.トーレスは英国ワイン専門誌「デキャンター」の「マン・オブ・ザ・イヤー 2005」に選ばれるといった名誉に輝いています。 次の時代を担う5世代目も世界の舞台で活躍を始めており、息子のミゲル・トーレス・マクサセックはトーレスグループ全体のジェネラル・マネージャーを務め、娘のミレイア・トーレス・マクサセックはプリオラートと傘下のプレミアム・ワイナリー、ジャン・レオンのジェネラル・マネージャーとして、ミゲル・トーレス グループを取り仕切っています。ミゲル・トーレス社は家族経営ワイナリーとして、築き上げた伝統を守りつつ、常に革新を続けています。

【スペイン各地に広がる、トーレスのフィールド】
トーレスでは現在スペインに1,800ha以上の自社畑を所有しています。トーレス本社のあるペネデスの自社畑とワイナリーの他にも、コンカ・デ・バルベラに自社畑を、そしてプリオラート、リオハ、リベラ・デル・ドゥエロに自社畑とワイナリーを所有し、カタルーニャ地方以外の銘醸地を含む、スペインの豊かなテロワールを世界へと発信しています。 ワインのラインナップは牛のマスコットでおなじみのスペインを代表するワイン「サングレ・デ・トロ」から、高価なボルドーワインを押しのけて世界のカベルネ・ソーヴィニヨンの頂点に立った単一畑産の「マス・ラ・プラナ」まで幅広く、毎日の食卓や特別なひと時など、いつ、どこで開けても、その場にマッチする高品質ワインの品揃えがトーレスの誇りです。特に単一畑産のワインは、ワイン専門誌で高得点を取得したり、世界のワインコンクールで数々の受賞を受けたりと、世界で高い評価を受けています。