補聴器の用語集
ハウリング(フィードバック)
補聴器からでる「ピーピー」音のことをいいます。これは補聴器から出ている音が、耳あなから漏れてまた補聴器のマイクに戻ることを繰り返すと起こります。
補聴器から出る音が大きいほど、あるいは耳あなを塞ぐ部分(耳栓や補聴器)の隙間が大きいほど、音漏れをして「ピーピー」と鳴るリスクが高くなります。
オープンフィッティング
耳あな型の場合は、補聴器に空気が通る大きな穴(ベント)が開いているもの。耳かけ型では、耳せん部分に大きなすきまが開いている補聴器のことを差します。
大きな穴があいていることにより、耳をふさいだ感じがなくなり、自分の声の響きや食事の際の咀嚼音が軽減されます。
以前の補聴器は、大きな穴が開いているとハウリングが起きてしまいましたが、最近は、ハウリングを打ち消す機能がついているものがあり、オープンフィッティング方式が可能になりました。
これにより、いままで補聴器の使用をためらっていた軽度難聴の方に、補聴器をあわせやすくなりました。
軽度難聴の方は、補聴器を付けて聞こえるメリットよりも、自分の声の響きや閉塞感が気になるデメリットの方が大きくて、結局補聴器の使用をあきらめるケースが多くありました。
オープンフィッティングにすることで、閉塞感や自声の響きから解消され、補聴器を付けていても違和感が少なく自然に聞こえるようになりました。
また最近は、チューブが細くて付けていることが分かりにくい小型耳かけ型の補聴器が人気で、いろいろなカラーバリエーションから選ぶことができます。
ただし欠点としては、耳栓に大きな穴があいている関係で、音量が必要な中高度難聴以上の難聴度の方や、低音を補う必要のある低音障害型の難聴の方には向いていません。
補聴器のバンド(チャンネル)
補聴器のカタログなどによく登場する「12チャンネル」や「6バンド」といった言葉。メーカーによって呼び方は違いますが、チャンネルもバンドも同じ意味です。
補聴器のチャンネルとは、低い音の周波数(約200Hz)から高い音の周波数(約6500Hz)までを区切った数のことで、大きく2つに区分していれば2チャンネル、細かく12こに区分していれば12チャンネルとなります。
つまり、補聴器のチャンネル数が2だと、2つの音域調整(上げる・下げる)しかできません。
アナログ補聴器ではチャンネルを分ける機能を付けると、部品点数が増えて均一な品質に保つことが難しくなるため、2チャンネル位までが実用域でしたが、デジタル補聴器の登場で、チャンネルの制御は小型CPU1つで行えるようになりました。
12チャンネルだと12の音域調整ができ、雑音制御機能を持つ補聴器であれば12の雑音を抑えることが可能、ということになります。
補聴器のチャンネル数が増えることで、個人個人の聴力型により細かく合わせることができるようになりました。
また音質の調整もチャンネルごとに行えるので、雑音などピンポイントでの調整が可能になりました。
ただ、多チャンネルの補聴器になるほど、値段も高価になります。
補聴器を使用される方のニーズ(雑音が気になる等)や聞こえの程度によっても変わりますので、使用環境などを考慮し、チャンネル数の多い・少ないを選んで購入されることをお勧めします。
※個人の聞こえにもよりますが、デジタル補聴器なら最低3チャンネル以上、雑音制御付きのものなら5チャンネル以上のものが使い勝手が良いようです。
補聴器と助聴器や集音器の違い
補聴器と助聴器や集音器の違いは、簡単にまとめると、医療機器に認定されているものが「補聴器」と呼ばれます。医療機器に認定されていない「助聴器」や「集音器」といったものは、メーカーのネーミングの違いです。
補聴器に認定されるには、メーカーがその申請を行うのですが、認定されるための要件(設備・人など)を満たす必要があります。また、補聴器に認定されると一般の電気店での販売ができません。日本の補聴器店は、特定のメーカー品しか扱わない店も多いので、販路の確保も難しい点があります。そのため、初めから医療機器認定を受けない集音器メーカーが多いのかもしれません。
実際、補聴器でなくとも軽度難聴の方には特に問題なく使用していただける場合もあるようです。
ただ、重度・高度難聴の方は、聞こえの程度に合わせた補聴器の機能が重要になります。