難聴について
補聴器を買う際に大切なことは、難聴の程度。
聞こえなければ何でも補聴器が適応かというと、そういうわけではありません。
特に通販用の補聴器のほとんどは、軽度〜軽中度難聴向きです。
大きい声を出してもらわないと聞き取りがむずかしい方は、耳鼻科か補聴器専門店に相談することが望ましいです。
また難聴は、病気の前駆症状であることも考えられます。
病気じゃないと診断がおりてから、補聴器のことを考えましょう。
聞こえの程度 | デシベル(dB) | 日常生活での聞こえの程度 |
正常 | 0〜25 | ほとんど不自由がない。 |
軽度難聴 | 25〜40 | 会議や講演会など離れた人の声が聞き取りが困難。また、テレビの音量が大きくなる。 |
軽中度難聴 | 40〜55 | 聞き直しが多くなる。複数の人との会話がむずかしい。 |
中高度難聴 | 55〜70 | 普通の会話の聞き取りが困難。 |
高度難聴 | 70〜90 | 耳元で大きめな声で話しかけないと、理解ができない。 |
重度難聴 | 90〜 | ほとんど理解できない。 |
聞こえ方の傾向
高音漸傾型
低音域より高音域の方が聞こえが悪いタイプ。「刀」⇔「魚」のような聞き間違いなどが多くあるようです。
補聴器で高音域を強調して聞こえを調整します。
水平型
低音域と高音域、どちらも聞こえが悪いタイプ。 このタイプは単純に聴力レベルに合わせた調整をします。
山型
1000Hz付近の中音域の聞こえだけが良いタイプ。
この聞こえ方で軽度難聴の方は、補聴器はあまりお勧めしません。1000Hz付近は、会話の周波数としてメインとなる部分。補聴器をつけるとかえって雑音などが気になってしまいます。
軽度難聴以外の方は、3チャンネル以上で雑音制御機能をもつ補聴器をお勧めします。ある程度高価にはなりますが、チャンネル設定ができないと、騒音ばかりが気になってしまうかもしれません。
谷型
山型とは逆に、1000Hz付近の中音域の聞こえが悪いタイプ。
会話を聞くために必要な1000Hzの周波数を重点的に補聴器で聞こえるように調整すると、良く聞こえる場合があります。
3チャンネル以上で雑音制御機能をもつ、または、オープンタイプの補聴器をお勧めします。
※このタイプの方は、耳に疾患を持つ場合が多いです。もし、まだ病院に行かれていない場合は、まず耳鼻科にかかることをお勧めします。
低音障害型
低音域の聞こえが悪いタイプ。
聞こえにくいので補聴器を使用するのですが、
自分の声が大きく聞こえる
雑音が大きく聞こえる(低音域に雑音になるものが多いため)
装着感が悪い
などのデメリットを感じられることが多いです。
このタイプの聞こえ方には、雑音を抑える機能が充実しているミドルクラスの補聴器をお勧めします。
補聴器での聞こえの調整が難しいタイプですので、さまざまな補聴器を比較して、ご自分に合ったものを選びましょう。
難聴の種類
伝音性難聴
聴覚神経(有毛細胞など)は正常で、外耳道や中耳に障害があるため聞こえが悪いタイプ。
補聴器が違和感なく使用できるケースが多いので、高機能補聴器はあまり必要ありません。
ただ治療や手術などで治るケースがあるので、病院での診察をおすすめします。
感音性難聴
聴覚神経(有毛細胞など)に障害があるため聞こえが悪いタイプ。
老人性・突発性・薬害性・遺伝性・おたふく風邪などその原因は多岐にわたり、その原因ごとに補聴器で得られる装用効果がかわります。
年配の方は、老人性難聴とされ、長い年月を掛けて次第に聴力が悪くなっているため、聞こえていない音を忘れている可能性があります。
いままで聞こえなかった音が補聴器を通して聞こえるようになると不快に感じる場合があるので、忘れている音を理解するように徐々に慣らしていく必要があります。
あまり雑音が気になるようであれば、雑音制御機能がついている補聴器をお勧めします。
混合性難聴
聴覚神経(有毛細胞など)と伝音器官(鼓膜・中耳)の両方に障害があり、聞こえが悪いタイプ。
特に慢性中耳炎や幼少の頃にひどい中耳炎、など患った方に多いです。