大石酒造の商品一覧
蔵元訪問記 ■大石酒造株式会社
■阿久根市波留1676番地
<レンガ造りの煙突>
<白豊芋>
<芋処理場-家族的雰囲気です>
<醸造所内部>
<醸造所内部>
<大石社長と>
阿久根市波留にある大石酒造は明治32年創業の伝統蔵です。
蔵の脇にはシンボルともいうべきレンガ造りの煙突があります。以前は、現在の倍以上の高さだったのですが 1997年(平成9年)、阿久根市近くを震源地とした鹿児島県北西部地震で崩れてしまったのだそうです。
大石酒造のこだわりは「地産地消」のようです。
地元で生産される素材を使い、地元で消費する(ただ、大石酒造の焼酎は地元だけでなく全国で飲まれるようになりました)。「鶴見」「莫祢氏」などの通常商品には澱粉工業が盛んだった地元・阿久根市で広く植えられていた澱粉芋「白豊」が原料として使われています。
麹用米も阿久根市で生産された県産米が使われています。
手狭な蒸留所内には醸造タンクや蒸留器、貯蔵タンクなどがびっしり詰まっていますが随所に設計技師だった大石社長の創意工夫が見られます。
その代表が手造りの「カブト釜式蒸留器」です。通常の常圧単式蒸留器であれば1000リットルを3時間で蒸留できるのに対し、カブト釜式では500リットルを4時間と非常に効率が悪いことから今ではほとんど使われていませんが、それでも「古いものも復活させてみたい」と試行錯誤し自らの手で作り上げたそうです。
もろみに蒸気が直接当たらないので、芳醇で品の良い味わいときめ細かさがしっかり残るそうです。蔵の限定焼酎である「がんこ焼酎屋」で使われています。
代表銘柄「鶴見」の酒名は、焼酎を飲んでいた初代当主が 当時シベリアから飛んできた鶴を見て命名したそうです。
大石酒造は、阿久根市街地の国道3号線から山の手側に少し入ったところにあります。昔は、大石酒造と国道3号線をはさんで反対側の地域は湿地帯で鶴の渡来地として知られていたそうで、蔵からも鶴がよく見えたそうです。
国道が整備され、湿地帯が埋め立てられ・・・鶴は、当時干拓が終わったばかりの出水市荒崎に移っていきました。かつて、鶴の渡来地だった湿地帯は、今は阿久根市の中心街となりにぎわっています。