リバースウィーブ製法
Championが特許を取得し、キング・オブ・スウェットと呼ばれる契機となったのがリバースウィーブ製法。発案されたきっかけはある一つの会話からだった。それは「洗うと縮んで裾が短くなってしまうのはなんとかならないか?」と言うもの。それなら、と生地の方向を縦横逆にし、更にサイドにリブを入れる事で横方向への縮みにも対応させた。これほどオリジナリティーを持つスウェットは他になく、Championと言えばリバースウィーブとすら呼ばれる理由でもある。
吊り機
一本のセンターシャフトで梁に吊り下げられて、「ヒゲ針」を放射状に配列した「シンカーホイール」を有する丸編機です。
吊機には「ヒゲ針」が約1000本以上も取り付けられており、その無数の針を水平に揃えなければならず、吊機で生地を編む上で、吊職人の熟練した技術が必要とされる理由のひとつ。
またこの吊機にとって命でもある「ヒゲ針」は特殊な編み針で、グロッツ・ベッケルト社というドイツのメーカーがかろうじて生産を続けているという状況です。
2本針縫製
2本針による強度のある製法で、現在では定番のディテール。1940年代のスウェットの主流でリバースウィーブにもこの2本針を採用している。
4本針縫製(フラットシーマ)
4本針ステッチとも呼ばれる。4本の針と糸(下糸を入れると5本)によって縫製されたもの。生地裏面に縫い代がない為、肌に縫製箇所が当たらず着心地がいい。1950年代に採用されるが、生産効率が悪いので、全ての縫製箇所を4本針で行わず、袖リブや胴リブの縫製は2本針や3本針を採用しているものも多い。
ガゼットリブ仕様
首周りの前後に伸縮への補強として施されたV字ガゼットが特に有名。また他にも汗止めのために施されたという説もあり。V字の切れ込みにリブ素材など別布をはめ込んで縫製され、1920年代から採用され1950年代前期まで続いたが、織り機の性能向上や縫製技術の向上により廃止。
前Vのものは1940年代から登場したが60年代になると消滅へと向かう。でもその魅力に取り付かれてVを施したスウェットは後を絶たない。
サガラ刺繍
サガラ刺繍とは、 パイル状に埋められたボリューム感のある刺繍で、このボリューム感ある刺繍により、手触りがふんわりしたものとなります。 主にワッペンで使われるので見た事がある方も多いのでは。
またアイロンがけはサガラが潰れてしまうのでオススメ出来ません。
リバーシブル
リバーシブルは1939年にChampionが世界で初めて考案したもの。きっかけは海軍からの訓練用にと言う要請で、表と裏が違うものがあれば2チームに別れる訓練時のユニフォームも1種類で足りた。ちなみに記念すべき第1号はネイビーとゴールドのリバーシブル。
米綿仕様
無骨な男らしい肌触りにファンが多いのが米面仕様。最近主流のソフトな風合いとは一線を画す。洗う程に目が詰まり、まるでジーンズの様に育てる感覚が味わえる事から往年のファンが好む。
バインダーネック
ルーズリーフのバインダーと同じ意味のバインダー(挟む)です。
Tシャツを製作する段階で、首のリブを、生地に挟み込んで縫製された、
Tシャツのネック部分を指す言葉でバインダーネックは2本針縫製で、取付けられる事が多く、
Tシャツの首部分が伸びちゃうって事が少ない、堅牢な縫製方法。お気に入りのシャツの首回りが伸びてしまった経験のある方も、多いかと思いますが、2本針のバインダーネックなら大丈夫。首周りが強いから、長い間愛用出来ます。
サーマル
ワッフル状の凹凸に熱を閉じ込める事が出来る事から保温性が高く、軍装備にも採用された経歴のある生地。表面が凸凹している為、汗をかいても肌にベッタリくっつく事がなく、サラサラと快適な着心地を楽しむ事が出来る。
裏起毛
裏側に太い糸を添えて編み、起毛させた編地。少し厚く弾力がある表と柔らかくフリースの様に暖かい裏から構成される。
裏毛
タオルのような質感(パイル地)で、アウターとしては厚手ではないので重ね着などにも便利なアイテム。
ヘビーガーメントウォッシュ
縫製後の製品を水洗い。加工時間の長いものをヘビーガーメントウォッシュとして表現。加工時間により風合いに差が出る。素材表面に味が出て、購入後の洗濯における縮みを軽減出来る。
ストーンウォッシュ
縫製後の製品を専用の石と一緒に入れて水洗い。石の種類は加工所によって異なる。加工時間の長いものをヘビーストーンウォッシュとして表現し、加工時間・石の種類で風合いに差が出る。長年に渡り、着こんだ色あせ感と素材感を表現。
サンドウォッシュ
専用の砂と一緒に入れて洗う。加工時間、砂の種類により風合いの差が出る。
砂による色落ちのムラがビンテージ感を醸し出す。
アルカリウォッシュ加工
一般的にはセスキ炭酸ソーダ等を用いて加工。ユーズドの表情をリアルに演出する為に用いられる手法の一つ。
ガーメントウォッシュ
縫製後の製品を水洗い。加工時間の長いものをヘビーガーメントウォッシュとして表現。加工時間により風合いに差が出る。素材表面に味が出て、購入後の洗濯における縮みを軽減出来る。
ヘビーストーンエンザイム
長い年月をかけて生まれるユーズド的な素材感を出すために、縫製後、酵素入りの液体と石で洗い加工。酵素とは、生体で起こる化学反応を触媒する物質のことでその種類は加工所によって異ります。繊維の毛羽を無くすことにより滑らかな表面を作ります。
ヘアリーパウダーウォッシュ
Enzyme ウォッシュし、水洗い後ストーンウォッシュを施しサイド水洗い後に柔軟剤で仕上げた加工。単糸使いの素材はこの複合加工により柔らかい表現が可能。それぞれの加工時間の組み合わせにより、風合いの差が出る。着込んだナチュラル感が出る。
染込みプリント
ヴィンテージスウェットで多く見かけるプリント手法。シルクスクリーンでプリントすることが出来る。染料が生地に染込んでいるため凹凸が無く、発色がいいのも特徴。着用していく内に色抜けし、良い雰囲気になる。また、染みこみプリントはラバーインク開発以前のもの。
ラバープリント
ラバー、つまりゴムである。ヴィンテージスウェットの中でもチャンピオンのリバースウィーブに多く見られる。鮮やかな発色は無いが、艶と厚みがあるのが特徴。独特の雰囲気と高級感があり伸縮性に優れている。
エナメルプリント
透明のフィルムを貼ったような表面になり、奥行きがあります。エナメル独特の透明感があって発色も良いため、繊細なカラーを出したい時にもよく用いられる。
フロッキープリント
ヴィンテージスウェットに多く見られるプリント手法の一つ。起毛した転写シートにプリント。糊(のり)加工をし、生地に熱圧縮するためシルクスクリーンでは対応不可。ビロードの様な風合いが得られるが、単色プリントしか出来ないと言う弱点もある。ヴィンテージスウェットではカレッジものなどで多く見られる。
※プリントの糊に静電気を流し、短く切った繊維を垂直に差し込む加工のこと。プリント綿が浮き上がって見えるのが特徴。