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古くは縄文時代の遺跡からも食されていた痕跡が発見されるなど、先史時代から私たち日本人の食生活に取り入れられてきた海苔。
一回に食べる量が少ないため、栄養価についてはつい見落しがちですが、海苔は極めて消化の良い良質の蛋白質をはじめ、心臓病やアレルギー病に有効なEPA、また私たちの健康に必要不可欠なカリウム、カルシウム、ヨード、ナトリウム、鉄、マンガン、燐、亜鉛等のミネナル類、さらにビタミンA、B1、B2、C、D、や食物繊維を豊富に含有しています。
その栄養価の高さから 毎日海苔二枚食べるだけで、一日に必要な量を取れるといわれるほどです。


 コンブのグルタミン酸、カツオ節はイノシシ酸、シイタケはグアニル酸、貝はコハク酸など、うま味に関わるニュークレオタイド類のアミノ酸や核酸がからんでいるのです。ノリからはこれらのすべてが検出されると同時に、他にも甘さのアラニンやグリシン、苦甘さのアルギン酸、酸味のアスパラギン酸が含まれいて、数十種のアミノ酸が微妙にミックスされています。

 そして海苔でもう一つ不思議なのは、どれだけ長期保存しても味が落ちない点。
魚の干し物を空気にさらすと、不飽和脂肪酸が酸化していやな匂いを発し、もちろん味も落ちてきます。ところが海苔はいつまで経っても油焼けを起こさず、悪臭も発生させません。純天然産品の海苔の中に、酸化防止をする天然の抗酸化物が入っているのです。だから気をつけるのは防湿だけ。一度湿らせた海苔は味が劣化し二度とうま味は戻りません。いわゆる風邪ひき海苔になってしまいます。

 一帖ずつ帯をかけて裸で売っていた昔と違い、湿気を遮断した袋や缶売りが一般になった最近では、感触と香りが確かめられないので、色の見分け方が決め手になってきます。単純にいえば粗悪なものは色が薄くて、つやがありません。佐賀の有明海産の極上品は、赤味のある飴色がかった漆色をしています。
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海苔は春から秋にかけて水槽に吊り下げられたカキ殻の中で糸状体と呼ばれる形で、毎日観察され見守られながら成長していきます。秋から冬にかけては栄養豊富になった海から養分を吸収し、そして生産者の手により大切に育てられます。

9月の彼岸を過ぎ、涼しくなると海の表面は冷えて底の方の温かい海水と対流するようになります。
10月初め頃に海苔網へ種付けが行われますが、海で行われる種付けと陸上で行われる種付け(陸上採苗)の2種類の方法にて行われています。
海での種付けの場合は、海苔網を海に張り、海苔の種が詰まったカキ殻をその網の下へ吊り下げ、種付けが行われます。
海水の温度が24度以下に下がると自然とカキ殻から海苔の胞子が放出され、海苔網に付着します。
約1ヶ月もすると海苔はワカメのように海苔網で成長し伸びてきます。

11月初め頃になると、夜中の12時頃から早朝の身も凍る寒さの中で、海苔の摘み取りが始まります。

海苔は生産者の弛み無い努力によって作られています。

海苔作りは、よく農業に喩えられます。 遠浅の海が畑とするならば、肥えた土地の代わりに必要なのは養分に富んだ海水です。 農業ではトマトなどの茎が折れないように支柱をたてますが、海苔の場合は種苗をつけるために「綱ひび」を張ります。
徳川時代から昭和のはじめまでは「ソダひび」という立体的養殖法がとられていましたが、取り扱いの不便さや漁場使用の問題もあり、昭和2年に「綱ひび」にとってかわられました。
昭和4年には「浮ひび」という浮動性を持った水平式養殖法も発明され、立体式に比べ収穫量は一躍4倍以上という驚異的躍進ぶりを遂げたのです。 他にも人工種付法の発達や品種改良など養殖技術の革新によって、その昔、貴族の食べ物とされた海苔が現在では日本人の 食生活に欠かせないものとして安定供給されるようになったのです。

海苔は、生きものです。そのため、ひびから摘採した生海苔をいかに鮮度を保ったまま製造するかが重要になります。
製造手順としては、まずよく海水で洗い、ごみ等をより分けザルに入れてよく水を切り、海苔切機械にて細断。この細断した海苔に淡水を入れてよく掻き回して抄くと海苔が出来上がります。海苔簀(す)で抄き上げた海苔を朝日の出るのを待って乾場へ。焼き上がったものを簀から剥がし十枚ずつ二つ折りにすれば一帖の海苔の出来上がりです。
現在では、細断から海苔剥ぎまでが機械化された全自動海苔製造機で乾海苔が製造されています。
海苔でもうひとつ重要なのが保管。湿度を嫌うため、冬期に採取された海苔は、消費時期まで保管しなければなりません。
林屋では、水分が10〜12%程ある乾海苔を買付け後すぐにマイナス25℃で保存し、加工する時に再度水分を3%以下まで下げるために熱風乾燥して焼き上げ、年間を通して品質の変化を防いでいます。

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海苔の産地−林屋は有明海苔を原料につくられています。−
千葉海苔
  江戸時代より、海苔といえば浅草のりといわれるほど有名だった東京湾の海苔。昭和38年までには東京湾埋め立てのため、 品川と大森でとれるいわゆる江戸前と呼ばれる海苔は、すべて無くなってしまいました。 しかし今でも千葉県の東京湾側(木更津、富津、行徳、船橋)で全国シェア僅かながら江戸前海苔として作られています。 「磯の香りの強さと歯ごたえが特徴」の江戸前海苔は、現在小数の海苔漁師により作られています。

伊勢海苔
  伊勢湾は九州有明海に比べ潮流が速く、比較的柔らかい海苔が生産される一番摘みの時期でもしっかりとしたかための海苔 が生産されます。九州有明海が支柱柵なのに対し、愛知県は浮流し養殖が盛んな産地で、速い潮流にもまれることで、かためで しっかりとしていることからおにぎりや寿司用などの業務用の海苔に適しています。 また照りがあり、九州有明産に比べると色は赤めですが、歯ごたえのあるおいしい海苔が生産されています。

瀬戸内海苔
  兵庫産は藩磨灘に面した産地で、速い潮流と大阪の都市園から排出され拡散される豊富な栄養塩に恵まれているため、 良質な海苔が採れます。浮流し養殖が主流となっており、特徴としては色が濃く黒くかためで壊れにくく、おにぎりや寿司用 などの業務用に最適な海苔が取れます。また、海苔の生産枚数も多いことから業務用の海苔の仕入れには欠かせない産地となっ ています。海水温の関係で、多少採れる時期が他県よりも遅くなっています。

有明海苔
  有明海は、日本でも最大規模の海苔産地で全国でも収穫量一位二位の佐賀、福岡を抱えています。大小の河川が流入しており栄養塩豊かな水域と広い干潟、そして約6メートル〜7メートルもの
干満の差によって干出(かんしゅつ)と呼ばれる海苔が空中にさらされる割合が程よいため、色が黒く、柔らかく照りも甘みもあり、歯切れのある非常においしい海苔が生産されています。
林屋の海苔は、この有明海産の海苔を主に使用しており、最上級の海苔との評価を頂いております。

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天然の海苔天然の海苔は、潮の満ち引きする場所に出来ます。

支柱柵漁法 満潮時<支柱柵漁法>
海底に支柱(竹やグラスファイバー製)を立て、これに網を結ぶ方法。遠浅の海に適した養殖方法。有明は潮の満ち引きの差が6メートルもあります。それを利用して天然と同じように潮の満ち引きに対し海苔に太陽光が当たるように養殖されます。また、海苔は紅藻類なので天然に近い状態で養殖すると「黒」ではなく「赤」くなります。そして、有明海は波が穏やかなため柔らかい海苔が出来ます。
支柱柵漁法 干潮時

浮流し漁法<浮流し漁法>
海底に打ち込んだアンカーにブイを付け、これに網を張る方法。浮きに網が着いているので、海面の変化にあわせて網が上下し海面から完全に露出することがありません。深い海でも養殖出来るという利点はあります。深い海は波が大きく、また海苔が常に海面すれすれの海中にあるため、黒々とした艶のあるしっかりした海苔が出来ます。

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