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<vol.06> 「祇園 さ々木」店主に訊く - 食育論・家庭の食卓 -

八代目儀兵衛 食のこだわり対談 <vol.06>「祇園 さ々木」店主に訊く - 食育論・家庭の食卓 -
祇園料亭「さ々木」店主 佐々木浩氏&八代目儀兵衛 橋本隆志
4.おにぎりの味が分からない子供たち。食育が必要なのは、親の世代から?
 
祇園料亭「さ々木」店主 佐々木浩氏 祇園料亭「さ々木」店主 佐々木浩氏
 
正統に独創をひと振りしたスタイルで京都で一、二を争うほど予約が取りにくいといわれる八坂通りの板前割烹「さ々木」の店主。 繊細で彩り美しい京料理の伝統に、春夏秋冬それぞれに新しい工夫を施した佐々木氏の料理には各界の通人に愛されています。
 
八代目儀兵衛 橋本隆志 八代目儀兵衛 橋本隆志
 
京都七条に庄屋の八代目として生まれ先代より引き継がれた味覚をもつ若手米鑑定士。京の料理をこよなく愛し、全国の米愛好家の方々に、お米に対する熱いおもいをたっぷりにおいしさを表現し日々研究しつづけています。
橋: 昨年、同志社大学院で「食育論」を履修したんですが、今の学校給食ってすごいことになってるんですよね。
京都の同志社小学校や立命館小学校では、プリンスホテルのシェフが給食を作るんですよね。
これって異常ですよね。それで親や子供達は本当に満足してるんですかね?
佐: その異常さ、元を正して何が悪いっていったら、親が悪い!
橋: あー(納得)。
佐: おにぎりが美味いか不味いか分からんようにしたんは、親やで。
お母さんが、味噌汁作ってる姿ってないもん、もうそっからやわ。言いだしたら・・・。
こないだ親子フォーラムに出てたんやけど、それもまたおかしな話で、偉いさんから、「献立を決めて下さい」「そしてできるだけ包丁は使わないようにしてください。」って言われたんや。
橋: 何でですの?
佐: 子供さんが手、切ったらややこしくなるという理由で・・・。
橋: しょうもないですね。
そんなんええですやん。
佐: それが許されへんらしい。
ブドウ球菌出たらどうすんねんとかな。そんなことばっかり言うてるから子供達が抵抗力がなくなったり、子供が親を殺したりするねん。
悩んだ挙句、鰯のフライに決めたわ。
手で裂けるから、包丁いらんしな。
橋: それでうまくいったんですか?
 
食育論・家庭の食卓について、お話しました。
対談の様子
 
佐: 話はこれからやねん!お母さんが言わはるねん。
「いやーこんな臭いの、嫌やわ。」とか、子供に向かって「あんた早しよしー」やって。
佐: んで、僕もあまりに見かねて、「お母さんがそういうことゆわはるから、子供さんできへんねん」って3回ぐらい怒ったわ。
「それじゃあ、時間ないんですぐに揚げてもらえますか?」って言ったら「油で揚げるのに親子さんがひっくり返したら火傷するから危ないので、佐々木さん揚げてもらえますか」って言われたん。
「揚がりました」って言うたら、子供が言うんですよ。
「お母さんのとぜんぜん違う」
僕は普通に揚げてるだけやで。揚げ方一つとってみても、お母さんも、教育していかんとあかんのちゃうか。真剣に思った。
新婚で新築やったら、台所が汚れるから嫌とか、僕的にはアホみたいに思う。
そういうところから改革していかなあかんなぁと思った。
橋: はぁー、きてますね・・・。
佐: 笑い話しちゃうで。
 
 
お米を炊く文化すらなくなっている現状をお伝えしました。
対談の様子
 
橋: 僕も食育と絡めて話すんですが、こないだ東京ではお米を炊く文化すらなくなっているといわれた時は、ものすごくショックでしたわ。
結局、炊いたご飯を買って食べるか、それすらもせず、外食しかせぇへんと言われました。
佐: ロスがないしね・・・。
申し訳ないけど、ご飯離れしてるのは確かやわ。
朝、パンやん、だからお母さんもコーヒーいれるだけ。
お母さんも時間がないしな、働きに出るから。
橋: 関東での現実はそうですよね。
後、食育の話をしていくと、先程佐々木さんがおっしゃったように、30代〜40代のお母さんが、小学生に「自宅での晩御飯の食卓の絵を書いてくれ」といって、書かせたらしいんです。
佐: んで、どんな感じなん?
橋: ファストフードのハンバーガーの絵、そしてアミノサプリ。家族の姿なんかないんです。
ひどい子は人の絵が書けないんです。昔のテレビゲームのロボットですわ。丸と線。顔も書けない。
佐: いかに家族が食卓にない状態っていうのが分かるね。
橋: あとひとつ、まともな食事の絵を書いた子供さんがいたんですが、魚の向きが反対なんです。頭が右にあるんですよね。
佐: お母さんとかも、そういう教育を受けてない。
橋: 分かってないんですよね。で、それなのにグルメ、グルメと言う前に、料理の最低限の常識を身につけて欲しいと思いました。
佐: ちゃうねんちゃうねん。 それだけお母さんがブランドに走り過ぎてるんよ。
 
「和のファストフード? おにぎりやん。」
対談の様子
 
橋: 少し話がずれるんですが、最近、京都市が姉妹都市提携でイタリアのフィレンツェのシェフを引っ張ってきて、スローフード協会での情報相互交換や人の派遣をもやってます。
僕は米屋なんで分かるんですけど、スローフードだけが良いかっていうと、それを食べられる人って意外と限られてるんですよ。
橋: 東京行ってきた時に昼ご飯の様子を見てたんですが、ほとんどがファストフード。でも今のファストフードって西洋文化丸出しなんですよね。ハンバーガーに代表されるように。
それが日本のファストフードかっていったら違うでしょう。
じゃあ、和の素材を使ったファストフードの店があっても良いやんと思ったんですね。
佐: 「おにぎり」やん。
橋: そうなんですよ!
だけど、そのおにぎりもコンビニの味がスタンダードになってしまってる。コンビニのおにぎりが美味しいっていう人がいるんですよ。
調味料かかって、防腐剤・人口着色料も使いまくって作られた、ああいうおにぎりが美味しいっていう人間が、白ご飯の本当の美味しさが分かるとは思えないんです。
佐: 分からんのやろうなぁ。
橋: ほんで、そんな人達に対して、私らがさ々木さんとこに納品しているような美味しいお米を、味わい方の説明とかさせてもらっても、味の深さを楽しんで食べている方が何人いるのかなと思うんです。
佐: あぁ、そこでブランドの話に戻ってくる。
有名ブランドのバッグを持ちたい, アクセサリを付けたい、子供にもそれなりの格好をさせたい。そのために働く。
ちゃうねん、原点は。
橋: 僕も同じ意見で、料理の奥深い味わいを味わう本当の価値を見つけて欲しいと思います。
佐: 単にブランドに走るのではなく、自分がそのブランドを理解していくことが大事だと思います。
 
対談の様子
食のこだわり対談  Vol.1「祇園さ々木店主との対談」
食のこだわり対談  Vol.2「八代目儀兵衛がプロデュース」
食のこだわり対談  Vol.3「祇園 さ々木」店主に訊く 料理・文化・京都・お米
食のこだわり対談  Vol.4「祇園 さ々木」店主に訊く - 京料理 -
食のこだわり対談  Vol.5「祇園 さ々木」店主に訊く - 温暖化 -
食のこだわり対談  Vol.6「祇園 さ々木」店主に訊く - 食育論・家庭の食卓 -
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