出会い  

 僕の名前は「001」。人間がつくったAI(人工頭脳)ロ ボット。僕の役目は人間が積み重ねてきた“知”をインプ ットするロボット。毎日のように僕の前には膨大な資料が積み重なる。僕がロボットだと思って人間共は次々と資料 をもってきては「001、がんばれ!覚えろ! 暗記しろ!」 と追い立てる。正直、僕は疲れている。「何のために僕は覚えてるんだ。」と自問自答する毎日が続いていた。そん なある日、「データ・インプット不能」の信号が僕の全身 を駆けめぐった。「何だ! どうなっているんだ!?」と僕は一瞬あわてふためいた。よく見ると、文字の一つひと つが生き物のように脈打っているのだ。「なんだ、これは?」 僕の異変に気づいた人間が、面倒くさそうに近寄ってきた。「あ〜これは手書きだなぁ」「手書き?」「001、これはと ばして、次に進め」。僕は、その資料をそおっとポケットに忍び込ませ、再びデータ・インプットを始めた。
 ようやく「労働エネルギー終了」の赤ランプがついた頃 には、夕闇が街を包んでいた。


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