サイオンEMについてよく「EM菌とはどんな菌ですか?」と聞かれますが、まず知っておいていただきたい事はEM菌という固有の菌はありません。 EMとは人間や動植物にとって有益な働きをする微生物(善玉菌)のうちで、我々人間が昔から発酵食品を中心として利用してきた善玉菌を7種類集めたものをEMと呼んでいます。・・・注) 注)サイオンEMにはEM1号、EM2号、EM3号、EM4号の4種類がありますが、「サイオンEM」とは便宜的にEM1号を指すことにします。 サイオンEMの効果を最大限に発揮させるには、この4種類のEMを使い分ける技術が必要です。 サイオンEMを構成する微生物たちすでに勉強したように、地球上には大きさが10分の1ミリメートルから10万分の1ミリメートルにわたる生き物がたくさんいて、これらをひとまとめにして微生物と呼んでいます。もう少し詳しく分けるとだいたい次のようなグループになります。 サイオンEMを構成している7種類の微生物もいずれかのグループに属しています。少々複雑ですが、興味のある方は7種類がそれぞれどのグループの仲間なのかも、覚えておくと役に立ちます。
細胞を持つ生き物としては一番小さく、知られている細菌の大部分は長さ2ミクロンから10分の4ミクロンくらいの範囲の大きさです。(最近、長さが数ミリメートルもある、つまり肉眼で見える細菌が紅海にすむ魚の体内から発見されました。) このグループにEMの7種類のうち光合成細菌2種類、乳酸菌2種類、放線菌1種類の計5種類が属しています。 このグループにはEMの7種類のうち酵母1種類、糸状菌1種類の計2種類が属しています。 EMを構成している微生物は、以下の7種類の善玉菌たちです。
1.酵母EMに入っている酵母は、「サッカロミセス・セレビシエ」と言い、パン酵母やワイン酵母と同じものです。基本的には糖質を食べて、アルコールや微量の有機酸、水、二酸化炭素などを出します。(以降代謝物と表現します。) 酵母の役割は死骸から出るたくさんの酵素によって、土の中や河川のヘドロを科学的に短時間で大量に分解するという事です。酸素が十分にある時と不足している時とでは酵母の代謝物が違いますので、EMを培養するときには空気の管理が必要になります。 2.乳酸菌(ホモ型とヘテロ型があります。)EMに入っている乳酸菌は、「ラクトバチルス・カゼイ」と「ラクトバチルス・デルブルキー」です。(ヤクルトに入っている乳酸菌はラクトバチルス・カゼイです。)基本的には糖質やアミノ酸を食べて、沢山の乳酸やビタミン、水などを出します。 乳酸菌の役割はたくさんの乳酸の力で腐敗菌の増殖を抑え、善玉菌の繁殖を促進させたり、ヘドロやアミノ酸などを補助的に分解するという点です。 3.光合成細菌EMに入っている光合成細菌は、「ラドプロモナス・スパライデス」と「ラドスピリラム・ルブラム」といいます。基本的には二酸化炭素や硫化水素、メタンガスなどを食べて炭水化物や酸素を出します。 光合成細菌の役割は環境浄化面では、硫化水素やメタンガスといった腐敗ガスを大好物として食べて酸素を出してくれるという点です。農業面では、たとえば日照量が少ない環境でも炭水化物(実)の増収に役立つという点です。 注)代謝工程で使う補助剤のことを還元剤といいますが、光合成細菌は水素や有機物(特にアミノ酸)を還元剤として消費します。 4.放線菌EMに入っている放線菌は、「ストレプトマイセス・グリセウス」といいます。(結核の抗生物質ストレプトマイシンの名の由来です。)基本的には蛋白質(アミノ酸、キチン質)を好物にして、生理活性物質(ホルモン類)や抗酸化物質、抗生物質を大量に生産します。 放線菌の大きな役割は抗生物質の力です。環境浄化面では、EMの増殖時に菌自体が健康に育つために欠かせません。農業面では、作物の生育過程で病害虫に侵される危険をなくす効果があります。(人間でいうとワクチンを接種するようなものです。) 注)放線菌はキチン質(カニ殻やエビ殻・昆虫の殻に大量に含まれる物質)が大好物です。このキチンはキチナーゼという酵素によって分解されてキトサンという物質になります。 5.糸状菌EMに入っている糸状菌は「アスペルギルス・アワモリ」といいます。基本的には蛋白質(アミノ酸)や糖質を好物にして、アルコールやクエンなどを出します。 糸状菌の役割は今のところはっきりとつかめてはいません。しかし大量に出る消化酵素、生理活性物質や抗酸化物質の働きで有用な微生物の増殖を促進させたり、有害菌の増殖を抑制するなどの働きをしているのではないかと考えられます。 注)糸状菌は一般にカビ類の事を指すと考えて結構です。糸状菌にはフザリウムなどのように植物に病害をもたらす菌が多く存在します。 酵母や乳酸菌についても同じですが、糸状菌=善玉菌と考えるのは間違いです。ちなみにこのアスペルギルス・アワモリは沖縄の泡盛を作るときに使われています。(黒麹カビの一種です。) 製品としてのサイオンEMサイオンEMにはEM1号からEM4号まで、4種類あります。それぞれの製品は前述の7種類の微生物の組み合わせで作られています。
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