作業効率のアップや仕事の創造性の向上のススメ

3月号 失敗しない! 自分でできるオフィスづくり − 第8回 レイアウト実践! −

「自分でできるオフィス作り」をテーマにして、今回で8回目です。
今回は、今までの内容を踏まえて「オフィス移転」という仮想のモデルケースで実際にレイアウトを作ってみます。

条件設定 お客様プロフィール M法律事務所 弁護士2名(女性) 事務員4名 クライアントは女性が多く、説明がわかりやすくて相談しやすいと評判。もともとM氏だけの事務所であったが評判で依頼が増え、弁護士も事務員も増員。手狭になってきたのでオフィス移転を考えている。
現状 50平米 相談室が1個しかなく、弁護士が2人いても同時に対応できないことが不満 収納が不足している 女性が多い事務所ということもあり、防犯上も不安がある 配線がぐちゃぐちゃで事務所内に人を入れられない
要望 相談室は2箇所欲しい 最大8人程度入れる相談室があると嬉しい(今は都度貸し会議室を借りている) それとは別に応接室がほしい 収納を増やしたい 配線はキレイにしたい

というわけで、早速考えてみましょう!
現状は6名で現状50平米ということですが、一般的な目安で1人あたり9平米ですので、単純に考えれば「ちょこっと狭い」くらいです。ただ、「法律事務所」という特性上、それなりの広さのある相談室が事務所内に必要になってきますね。50平米+相談室分のスペース、という考えでいたほうがよさそうです。
で、今の図面を見てみましょう。

うまく収まってはいますが、少し狭いですね。図面で見る限りではセキュリティの面では不安があります。
配線、収納についても考慮しながら、オフィスのレイアウトをしていきます。

まず移転先の間取りですが、こういった85平米のテナントを選びました。

広さは十分ありそうですね。早速、レイアウトを考えていきます。
まず一番最初に考えやすいのが、図面右上のスペースです。

入り口からの位置関係を考えても、ここは応接か、相談室を置くほうがよさそうです。ちょうど応接セットを置くのに広さもいい具合です。柱が邪魔といえば邪魔なのですが、壁の一部という認識でパーティションを設置します。こうすると、施工面積も少なくなりますので少しだけコストを減らせますね。ちょうど窓もある部屋なので、応接に使うのにはちょうどいい場所です。

あとは相談室を考えますが、8人掛けできる大きなテーブルが入る大きめの相談室と、4人で座れる程度のテーブルが置ける相談室を考えてみます。4人がけのテーブルは、既存のものをそのまま使うイメージです。セキュリティの観点から、執務エリアは通らないで相談室に入れるほうがいいので、そう考えると相談室を配置できそうなのは、下図のAのあたりかBのあたりになります。

これはもう、実際に配置してみて考えるしかないですね。とりあえず、ざっと配置して様子を見てみましょう。

こうすると、パターン②が一番収まりが良さそうですね。
うまく外部の方が入れるエリアと、内部の人しか入れないエリアを分けることができました。なお、パーティションはお仕事の内容からして全て遮音性の高いスチールパーティションを使用します。

続いて、執務エリアを考えますが、これは今のレイアウトをあまり崩さないでほとんどそのまま持っていくほうがよさそうですね。壁面には収納をたっぷりと。また、今の配線がぐちゃぐちゃということなので、この執務エリアだけはOAフロアにします。下図の斜面の部分をスロープにして、執務エリアは50mmの高さのOAフロアを入れます。

OAフロアの下には、LANケーブルや電話ケーブル、そして電源ケーブルの配線をします。線をひいていくイメージはこんな感じです。壁からOAフロアの下を通して、必要なところに線を立ち上げていきます。ここまでやってしまえばオフィスレイアウトは出来上がったようなものです。

というわけで、こういった感じで全体のレイアウトが決定しました!

収納もたっぷり増えました。できれば、こういう移転を機会に非常時用の食料や防災グッズなどを用意して、収納場所を決めておくといいですね。

いかがでしたでしょうか? 御社のオフィスづくりの参考にして頂ければ幸いです。

次回予告「リフレッシュスペースの考え方」

連載も残るところあと3回!来月は、オフィス内での「リフレッシュスペース」について、掘り下げてご紹介していきたいと思います!