「自分でできるオフィスづくり」第２回のテーマは、「スペースの取り方」です。
お客様が考えられた図面を見ていると、なんとなく図面上ではうまく収まっているようでも、実際に家具を並べると動線が確保できていなかったり、思っていたよりも狭かったりということがよくあります。
家具を置いた後で「こんなはずじゃなかった！」とならないように、今回はオフィスレイアウトのプロ中のプロである、メーカーのデザイナーさんに聞いてきました！
デザイナープロフィール
野坂昌弘
プラス株式会社 中部支社 中部オフィス環境ソリューション部。２級建築施工管理技士。
入社８年目のカスタマーデザイナー。小規模から大規模までオフィスデザインを手がける。エコノミーオフィスの店長（吾郷）と一緒に仕事をすることも多い。
まずはわかりやすい例で、「会議室に並んだ椅子と机の間はどれだけスペースをとればいいの？」というパターンで、実際の写真を見て頂けますでしょうか。
600mmだとイスを引いて座るだけのスペースは十分にあります。ただ、これだと座っている人の後ろを通るだけのスペースはありませんね。 この状態だと、たとえば３人がけのテーブルの場合は、真ん中の席の人は出入りに苦労しますね。 ２人がけのテーブルならこれでも大丈夫です。横から出入りすればいいだけなんで、後ろを通る必要がないんで。イスを引くだけのスペースがあればいいんで。
これだと座っている人の後ろにも、人が通れるだけのスペースがあるのでいいですね。 実際、自分もレイアウトする時にはこれくらい空けるようにしています。他の人（デザイナー）にも聞いてみましたけど、やっぱり700〜800くらいは空けるようにしているみたいです。
900mmだとスペースが空きすぎで勿体ないですね〜。僕なら、900mm空けるのならテーブルを奥行き450mmから奥行き600mmに変えて…、そのほうがいいですよね、テーブルが広く使えるんで。 やっぱり750mmくらいがベストですよね。
なるほど、３人がけと２人がけの違いでも、スペースの取り方が変わってくるんですね。では、次のような場合はどうでしょう？
JOIFA（日本オフィス家具協会）の基準だと、1800mmが推奨されていますね。でも…これちょっと、広い、かな。事務所に余裕があれば、これくらいとれればいいんですけどね。現実的には、1600mmくらいが妥当なところか、ちょっと広いくらいかな。 でも、どうしてもスペースがとれないオフィスのほうが多いんですよね、実際は。1200mmくらいしかとれなかったりとか。座る人によっても変わるんですよね、事務なのか、営業なのか。営業だと、普段外に出ているのでその後ろは多少狭くてもスペースがとれるということにもなるんですよ。 あと、平机なのか片袖机なのかによっても変わります。平机だと、後ろの人も自分の椅子の真後ろにくるんで。片袖だと、互い違いになりますからね。
ここも、人が通るかどうかというので変わりますよね。人が通るのなら、この前に1200mmくらいは空けておきたいですね。たとえば部屋の奥まったところで、人が通らないのなら900mmくらいでも大丈夫です。
簡易ミーティングなのか、応接会議なのかで、ここの基準も変わってきますね。簡易なものであれば、できれば900mm。900あればかなり広いですよ。で、まぁ、座って人が通れるくらい750mmくらいが最小くらいかな。 （今使っている会議室の机を指さして）こういう役員系の応接会議室は、テーブルが大きくなる。テーブルが大きくなると、部屋が狭く感じるじゃないですか。で、そこで750mmしかとってないと、えらい圧迫感がでてくる、迫ってくるんですよ。で、イスによっても後ろに必要なスペースって変わってくるじゃないですか。なのでそういうイスによっても、900じゃなくて1000だとか。 せっかくこういう、大きいテーブル入れても、「こんな狭いの？」って嫌じゃないですか。
ありがとうございます、もう１つ教えてください。オフィスの１人あたりのスペースの基準ってありますか？
一般的には1人あたり9��ですね。執務エリア、つまり会議室とか役員室とか応接室とかそういう孤立した部屋はのぞいて、デスクとかオープンタイプのミーティングスペースとか通路を含めてのスペースで9�屬任后� ただ、部屋の形によっても変わってきますよね。柱の位置とか。「ここに柱邪魔だよね！」って言ったところにあったりしますからね。「あれ？これデスク２列入らないよ。」とか。古い建物だと柱のスパンが短いんですよ、6mとかなんですよ。 あくまでも、目安ですよね、まずは9�屬妊謄淵鵐叛澤廚靴督困い董△如△△箸論Ｋ―Δ辰突遒箸靴泙后△箸いΔ里�普通の流れですね。
最後に、野坂さんから間取りで失敗しないコツをお願いします。
結論いうと、「これが正解です」っていうのはないんですよね。一応JOIFAやら日本建築学会の資料には「基準」っていうのはあるんですけど、「ある一場面には」っていうものなんですよね。結局はケースバイケース。状況や働き方に応じたレイアウトが大事なんです。 多いのは、お客様がご自分でメジャー持って測られて、「うん、イスは入るよね」って言われても、実際は「人が通れなくて困る」ってことにもなるんですよね。 考えることは多いので、困ったら、私達プロにご相談頂くのが一番です！
ありがとうございました！
「スペースの取り方」、いかがでしたでしょうか？ スペース的には余裕のあるオフィスのほうが仕事がしやすいに決まっています。 仕事に差し障りの無いように、スペースの取り方を工夫してみてください！
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