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ハーブやスパイスは地中海沿岸地方ではかなり昔から使われていました。紀元前約1550年もの昔に書かれたというエジプトの医学書「エーベルス・パピルス」には、アニスやキャラウェイ、カシア、カルダモン、マスタード、セサミ、フェヌグリーク、サフランなどが使われていたという記録があります。
ローマ帝国全盛の紀元前1世紀の頃、ローマの美食家アピシウスが書いた「料理について」という本の中に食品としてのスパイスの記述が広範囲に記されています。
2世紀ごろ中国の漢王朝が中央アジアまで支配力を広げたため、商人たちはシルクロードを通って比較的に安全にローマまで旅ができるようになり、スパイスの取引は盛んになりました。
7世紀から400年くらいの間は、アラブ諸国やイスラム教の勢力が強まり、東西の貿易が途絶え東洋のスパイスはほとんどヨーロッパに届かなくなりました。
11世紀には、十字軍により東西の交流が再開・活性化されスパイスやスパイス以外の様々なものが取引されるようになりました。当時十字軍の食料供給地であったイタリアのベニスとジェノバ
がこの時代の近東の貿易を独占しました。
1380年、スパイスなどの貿易の主導権争いでベニスとジェノバが争い、ベニスが勝利しその後100年にわたって東洋との貿易を独占しました。
1492年、コロンブスがカリブ諸島やアメリカ大陸を発見し、新しいスパイスもヨーロッパに供給されるようになりました。
1498年、ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマがインド西岸にたどり着き、ポルトガルがインドとのスパイス貿易の主役になりました。
その後、スパイスを巡るヨーロッパの国々の覇権争いは数々の戦争も経ながら18世紀まで続けられ、ポルトガルからオランダそしてイギリスと主役が変わっていきました。
現在はアメリカがスパイスの輸入量が最も多く、ドイツ、日本、フランスがそれに続いています。また、最大のスパイス市場はシンガポールでペッパー、シナモン、クローブ、アニス、コリアンダー、クミンなどが周辺の国々から集まり取引されています。
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