【1】栽培の基礎知識  【2】栽培方法  【3】種類別の育て方

【3-1】ア行〜カ行   【3-2】サ行〜タ行   【3-3】ナ行〜ハ行   【3-4】マ行〜ヤ行   【3-5】ラ行〜ワ行

【A】ラベンダー
[分類]
ラベンダーは7つのグループに大別されます。スパイカラベンダー系(ラバンジン系含む)、ストエカスラベンダー系、プテロストエカスラベンダー系、デンタータラベンダー系、カエトスタシスラベンダー系、スプヌダラベンダー系、その他のラベンダーです。この7つに分類された中には原種、亜種、雑種、交配種などがあります。7つのグループの中でホームガーデンに適したものは、ストエカスラベンダー系とスパイカラベンダー系、プテロストエカスラベンダー系、デンタータラベンダー系、その他のラベンダーの5つのグループから生まれたものに限られます。

<1−1 スパイクラベンダーグループ>
 自生地は地中海沿岸地方の1000〜2000mの高地で、イギリスに導入されて多くの園芸品種が作りだされています。この種類の原種は イングリッシュラベンダー、 スパイクラベンダー、ウーリーラベンダーがあり、変種にオフィキナリスラベンダー、ベララベンダーがあります。このグループは苞を花穂の先に持たず、葉は裂け目がなく細長く先端が尖っています。栽培種には、 ヒデコートラベンダーや マンステッドラベンダー、 ロゼアラベンダーなど多くの種類があります。

<1−2 ラバンジン系ラベンダーグループ>
 トゥルーラベンダーとスパイクラベンダーとの自然交配や人工交配によって作りだされた品種です。これらは不稔性で種子で増やすことはできません。この品種は生育が旺盛で、樹高が1mを越えるものが多く、花穂は雄大で苞は細く錐の形をしています。葉幅は広く通常カンファーを多く含んだ香りを持っています。 グロッソラベンダー、 スーパーラベンダー、 ボゴングラベンダー、 アラビアンナイトラベンダー、 ディリーディリーラベンダー、 インプレスパープルラベンダーなどがあります。

<2 プテロストエカスラベンダーグループ>
 一般的にファーンラベンダーという呼び方で親しまれています。シダの葉のように深い切れ込みのある緑葉が特徴的です。花茎の先端に輪散花序をつけます。花茎は3本に分枝することが多く四季咲き性の性質を持ち非耐寒性でマイナス2℃以下での栽培は難しいです。 ピナータラベンダーや カナリーラベンダー(カナリエンシスラベンダー)などがあります。

<3 ストエカスラベンダーグループ>
 このグループは花弁に似た大きな苞がウサギの耳に似たような形をしているので、他のグループと容易に区別がつきます、葉は細長、長円形、皮針形、倒皮針形の全緑の葉をもちます。花茎は枝分かれせず禅僧は短い毛で覆われている場合が多いです。スパイカラベンダーに比べ寒さに弱く、暖地ではよく育ちますが、多湿に弱いので注意が必要です。栽培条件がよければ四季咲きの傾向が顕著ですが短期間の花が無い状態はおこります。このグループは3つの原種と多くの亜種、さまざまな交配種があります。 ストエカスラベンダー、 ストエカスアルバラベンダー、 アボンビューラベンダー、 エンジェルラベンダー、 キューレッドラベンダー、 グリーンラベンダー、 フェアリーウイングラベンダー、 ヘルムスデールラベンダー、 マーシュウッドラベンダーがあります。

<4 デンタータラベンダー>
 カナリア諸島や北アフリカ、スペインに分布しています。深く切れ込んだ鋸葉のある緑葉を持ち花茎が厚く、花穂は短いです。上部の苞葉は小さく、秋から初夏に開花します。 デンタータラベンダー、 デンターターアルバラベンダー、リンダリグノンラベンダー、 キャンディキャンズラベンダーなどがあります。

<5 カエトスタキスラベンダー>
 インドに分布するラベンダーでカエト(毛)とスタキス(穂状花)を意味し、L.bipinnataとL.gibsoniiの2原種があります。

<6 スブヌダ・ラベンダー>
 アラビアやソマリアに分布するラベンダーでSub(〜の下の方)とnuda(裸)を意味し、L.macra、L.aristibra cteata、L.subnudaなど8種類の原種があります。

<7 その他のラベンダー(グループを別にするものの間の交配種)>
 スイートラベンダー(ヘテロフィララベンダー)は、ラティフォリアラベンダーとデンタータラベンダーの交配種です。コモンラベンダーに似ていますが、葉に切れ込みが入ります。樹勢が強く、丈夫で香りが強いです。ガクはグリーンで花はパープルブルーです。スイートラベンダー以外にも、グループが別のものの間の交配種にアラルディラベンダーやグッドウィンクリークラベンダーがあります。


※グループ別栽培のポイント

<地中海内陸地域・冷涼地型 コモンラベンダー系>
 充実した株の新しい枝先に開花します。気候が適していると剪定後70〜80日して再度開花します。初夏開花型で、耐寒性がもっとも強く、高温多湿に弱いです。秋から早春にかけて剪定をおこないます。冷涼地は株元より10cm残して強選定し、暖地ではスタンダード型に仕上げます。

<地中海沿岸地域・低地型 ラバンジン系、スパイクラベンダー>
 初夏〜夏にかけての開花型で、耐寒性が強く、高温多湿にやや弱いが生育が旺盛です。剪定は秋から早春にかけておこないます。冷涼地は株元より10cm残して強選定し、暖地ではスタンダード型に仕上げます。

<地中海沿岸地域・低地型 ストエカスラベンダー系>
 早春から初夏にかけて開花します。半耐寒性で、開花後に剪定を行い、秋までに枝を整えます。冷涼地では防寒する必要があります。

<地中海沿岸地域・低暖地型 デンタータラベンダー系>
 通常は秋から春にかけて開花しますが、開花した枝を適度に間引き剪定し、追肥を行うと周年開花しやすくなります。冷涼地では冬の期間保温する必要があります。

<地中海沿岸地域・低暖地型 プテロストエカスラベンダー系>
 周年開花するので、適度に間引き剪定し追肥を行いましょう。冷涼地では冬の期間保温する必要があります。

<地中海沿岸地域・乾燥型 ウーリーラベンダー>
 初夏に開花します。半耐寒性で、乾燥した寒さには強いのですが、多湿に弱いので注意が必要です。


[タネまき]タネまきを行う前に、種子をガーゼなどに包み、一昼夜水につけた後に、タネまきを行ってください。水につけるのは種子の表面がかたいため柔らかくして芽をだしやすくするためです。発芽は早いもので2週間くらい、長いもので2〜3ヶ月くらいかかる種子もあり、かなりバラツキがあります。育苗の専門家などは冷蔵庫で冷やしたり、薬品を使って発芽しやすくすることもあります。




【B】ラムズイヤー
株分け]冬を越した株は茎が匍匐して四方に広がっています。早春に枯れた葉の整理をしながら茎ごと切りはなし株分けを行います。

[夏越し]多湿と高温に弱いので、梅雨の時期や夏は強い西日や雨に当たらないように育てるとよいでしょう。

[水やり]乾燥気味を好むため、庭植えの場合活着後に水やりは行いません。鉢植えの場合は、蒸れを防ぐため葉に水をかけないように水やりします。

[ドライフラワー]ドライフラワーを作るには、花が1〜2個咲き出したら花茎の基部から切り取り、日かげで乾燥させます。

[植え替え]庭植えの場合は3年ごとに植え替えをおこないます。鉢植えの場合は毎年、秋か早春におこないます。


【C】 ルバーブ
葉柄の収穫]植え付けた翌年春に収穫できることもありますが、標準的には3年目の春からが収穫できます。外葉から収穫します。葉はシュウ酸を多く含み食べられません。

[樽鉢栽培]根を深く張るため樽鉢のような大きなコンテナがようでしょう。石灰少々と腐葉土をたっぷりと入れてください。

[夏対策]北向きの日かげで涼しい場所に置き、株元に腐葉土などを敷き乾燥を防ぎましょう。よしずを使って50%くらいの遮光するのもよいでしょう。


【D】レモングラス
[植え付け]春の平均気温が15℃以上が苗の植え付けの時期です。

[収穫]葉が15枚くらいになれば収穫できます。株元から切り取ります。切り口から新しい葉がすぐに伸びてきます。

[冬越し]暖地以外では、屋外での冬越しはできません。鉢上げして室内か温室で育てましょう。最低温度が10〜15℃程度の場合は、葉を切らずに冬越しできます。夜間冷え込みが厳しい時は段ボール箱などをかぶせて保温します。最低温度が5〜6℃になる場合は株元10cmくらいに切り戻し、株元を落ち葉や腐葉土でマルチングするとよいでしょう。

[株分け]株が大きくなると鉢いっぱいに根がまわり、根づまりをおこします。ひと株を2〜3株に分け、新しい用土で植えつけます。


【E】レモンバーベナ
[冬越し]成長したものは、関東の中部以南なら露地で冬越しできます。日当たりのよい南側の軒下に植えて株元を防寒してあげると、枝先は枯れても毎年根元から新芽がでてきます。幼木の場合は寒さに弱いため、わらや不織布などを巻いて保護するとよいでしょう。

[摘芯]苗が小さいうちは摘芯し、枝分かれを促し丈夫な枝に育つようにします。

[植え替え]鉢植えの場合、株が鉢いっぱいになると根づまりをおこします。2〜3年に1回春に植え替えを行いましょう。大きくしたくない時は根を2〜3cmほど切り、新しい用土で元の鉢に植えつけます。


【F】レモンバーム
[収穫]つぼみが、つき始めたらすぐに上部3分の1くらいを切って収穫します。レモンバームは開花すると株が老化するためです。

[夏対策]日本の夏はレモンバームにとって日差しが強いため、葉焼けをおこすことがありますので、50%くらい遮光し、涼しい場所に移動あげるとよいでしょう。水やりもたっぷりと与えてください。水やりが足りないと葉が堅くなってしまいます。また、乾燥するとハダニが発生しやすくなりますので葉水で予防してください。

[冬越し]冬越しした株は春先に古い葉茎を切ると、新芽がでてきます。





【G】ローズマリー
ローズマリーは樹形により立性、半匍匐性、匍匐性の3つのタイプに分けられます。

[摘芯]1年目は数回摘芯して枝分かれを促し、樹形を整えていきます。

[水やり]年間を通して乾燥気味に育てます。梅雨の時期などは株元をビニールで覆ってよいでしょう。

[植え替え]鉢植えの場合は、株の老化が早いので、苗を植え付けた翌年は春と秋の2回植え替えし、3年目以降は開花後に1回行うとよいでしょう。

[剪定]暖地では、梅雨の時期や秋の長雨の前に込み合った枝を剪定し、風通しをよくしておきましょう。

[冬越し]寒さにはあまり強くありません。冬は日が当たる凍らない場所で管理しましょう。降雪地では、防雪をかねた不織布のトンネルをかけたりします。3〜4月の遅霜や冷風などにも注意してください。鉢植えは暖かい室内に置くと花をつけないことがあります。 

[品種]匍匐性/ プロストラタス、 サンタバーバラ、 ダンシングウォーター
     半匍匐性/ ウッドパープル、 モーツァルトブルー、 フォタブルー、 セバンシー
     立性/ レックス、 トスカナブルー、 ベネンデンブルー、 ホワイトアルバス、 マジョルカピンク、 マリンブルー、 ミスジェサップ、 パッション、 ロゼア、 ブルーボーイ






【H】ローレル
ベイリーフ、ローリエ、月桂樹などと呼ばれています。日本でもよく育ち、大鉢に植え込んだり垣根などに利用されています。





【I】ロケット
[夏対策]夏は30%くらい遮光するか、半日かげの涼しい場所で育ててください。

[収穫]約2ヶ月で収穫できます。秋植えの冬の青菜として重宝します。冬はベランダで寒さに当たると葉肉が厚くなり風味が強くなります。花を咲かせると葉がかたくなり風味も落ちます。花茎が伸びてきたら摘み取ってください。

[品種] ロケットサラダ(ルッコラ)、 ロケットワイルド(セルバチコ)





【J】ワイルドストロベリー
夏対策]50%くらいの遮光を行い、涼しくし、暑さから守ってください。

[肥料]チッソ分が多いと果実がならないことがあります。

[[収穫]葉は随時収穫できます。花は早春から咲き出しますが、果実が肥大化するためには、昆虫による受粉(虫媒花)が人工受粉が必要です。3〜6月が収穫時期です。出始めたランナーを切り取ると開花及び結実する期間を延ばすことができます。

[ランナーで増やす]秋に伸びたランナーを涼しく風よけのある場所に植えつけます。

[株の更新]連作を嫌ったり、株が老化が早いです。1年おきに株を更新して新しい場所に植えるとよいでしょう。

[品種]ワイルドストロベリー ( 赤実、 白実:アルペンイエロー)





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