【1】栽培の基礎知識   【2】栽培方法  【3】種類別の育て方

【3-1】ア行〜カ行     【3-2】サ行〜タ行   【3-3】ナ行〜ハ行   【3-4】マ行〜ヤ行   【3-5】ラ行〜ワ行

【A】 アーティチョーク
 ヨーロッパでは、蕾の状態のものが市場で売られ食用にされています。カールドンはアーティチョークの原種といわれています。

 [タネまき]ピートポットなどに1粒ずつタネまきすると、植えつけの時に根を傷めないで植えつけることができます。

 [肥料]肥料分を多めにしないと花芽をつけないので、植えつけ前に堆肥などを用土にすき込んでください。

 [雨よけ]冬から春先の雨で地上部が腐ることがあるため、シートなどで雨よけをするとよいでしょう。鉢植えの場合も水やりが多すぎないように注意してください。

 [収穫]植えつけてから冬を越し翌年春に花茎が伸びてきたら、開花前の蕾を収穫し食用にします。

 [品種]アーティチョーク、アーティチョーク・カールドン



【B】オレガノ
 オレガノは、オリガヌム類、マヨナラ類、アマラスク類に大別できます。

<オリガヌム類>
 一般的にオレガノと呼ばれるワイルドマジョラムやゴールデンオレガノがこの分類に入ります。耐寒性が強く丈夫な仲間です。

<マヨナラ類>
 スイートマジョラムやポットマジョラム、イタリアンオレガノなどがこの分類に入ります。いずれも香りが強いのが特徴です。

<アマラスク類>
 花や苞葉がきれいなこの分類は、多湿に非常に弱いので、雨よけ対策を行い、1年を通して乾燥気味を育てます。春や秋の長雨、梅雨時期は特に多湿に注意しましょう。(ケントビューティー、ディタニーオブクリート、バーバラチンゲイ、ハイブリット、プルプルケルム)


 [植え替え]根のまわりが早く、根づまりしやすいため、鉢植えの場合は春と秋の2回植え替えるとよいでしょう。

 [株分け]株分けは2〜3年に1回くらい行うとよいでしょう。葉を2分の1ほど切り、手で根をほぐしながら、根土をかるく落として分けます。

 [収穫]生葉はいつでも収穫できますが、保存用の収穫は精油分の多くなる開花直前に行います。株元から5cmほど残して刈り取ります。オレガノは生葉より乾燥させたほうが香織がよいので、刈り取ったら日かげにつるして乾燥させ保存します。

 [梅雨時期の管理]株は蒸れると下葉が枯れてきます。込み合った枝を刈り取り、風通しをよくして蒸れからまもります。



【C】 オリーブ
オリーブは地中海を代表する常緑樹で、栽培の歴史は紀元前3世紀頃に始まったといわれていす。いくつかの品種があり、樹形や葉の形に違いがあります。同じ品種の花粉で受粉しにくいため、違う品種を近くに植えると実をよく付けてくれます。

<オリーブ・ネバディロブランコ>
 スペイン原産のオリーブです。樹勢が強く、樹形は横に広がるタイプです。果実はやわらかく傷つきやすいため食用(ピクルス)には不向きですが、主にオイルの搾油用として利用されています。また、花粉量が多いので、受粉樹としてよく使われる品種です。葉は銀葉で先が丸みのある細長い形をしています。観賞用としても人気があり、生垣や街路樹などにも適しています。大きめのテラコッタに植え込み、ベランダなどで育てることもできます。

<オリーブ・マンザニロ>
 スペイン原産のオリーブです。樹高は低めで、樹形はやや横に広がるタイプです。葉は銀葉で裏表の濃淡がはっきりしていて、小型でやや丸みがあります。果実は主に食用(ピクルス)などに利用されます。早生で実が大変よく付くタイプです。(別品種の受粉樹が必要) 観賞用としても人気があり、大きめのテラコッタに植え込みベランダなどで育てることもできます。ネバディロブランコなどの異品種を受粉樹としていっしょに植えるのもよいでしょう。

<オリーブ・ミッション>
 アメリカ原産のオリーブです。樹形は直立性がありバランスよく成長するので、ガーデニングには使いやすい品種です。葉は銀葉で大きめで細長くとがった形をしています。果実は晩生で食用(ピクルス)やオイルの搾油に利用されます。ミッションはオリーブには珍しく少し自家結実性がありますので、1本でも果実を楽しむことができます。観賞用としても人気があり、大きめのテラコッタに植え込みベランダなどで育てることもできます。

<オリーブ・ルッカ>
 イタリア原産のオリーブです。樹形はやや横に広がるタイプで、細く枝が上に伸びる性質があるので剪定などで横枝を増やして樹形を整えると良いでしょう。葉は平面的にやや丸みを帯び、広く大きい形をしています。主にオイルの搾油に利用されています。ルッカはオリーブの中では自家結実性の高い品種ですが1本では収穫量は少ないです。収穫を目的とする場合はネバディロブロンコなどの異品種を近くに植えてください。観賞用としても人気があり、大きめのテラコッタに植え込みベランダなどで育てることもできます。


 [夏対策]高温多湿を嫌います。乾燥には強いのですが、過度に乾燥すると果実が小ぶりになります。

 [幼木時]オリーブは苗木のうちは枝が大きく曲がっていることが多いので、まっすぐに伸ばしたい場合は支柱に結束して誘引してください。

 [特記事項]オリーブは根が浅いため強風に弱く倒れてしまうことがありますので、風の強い場所は避けた方がよいでしょう。また、成長してからの移植を嫌います。



【D】 カモミール (ジャーマン種、ローマン種)
<ジャーマン種>
 ジャーマン種は一年草で、花だけが香ります。

 [収穫]ジャーマンカモミールはこぼれ種で増えるので、その分を残して開花直後に花を収穫します。花弁が水平に広がった状態が収穫適期で、開花したものから順次摘み取ると、わき芽が伸びつぎつぎと花が咲きます。収穫方法は花の茎の下から人差指と中指の間に挟んでかるく引き上げて摘み取ると簡単です。

 [肥料]花期に花を摘めば摘むほど枝分かれし、つぎつぎに花を咲かせますので、開花中は2週間に1回の割合で1000倍液肥を与えるとよいでしょう。


<ローマン種>
 ローマン種は多年草でローマンカモミールの他、ノンフラワーやダブルフラワー、ダイヤーズなどの品種があります。ローマンとノンフラワー、ダブルフラワーは花だけでなく葉や茎も香りがあります。

 [収穫]ローマンカモミールは切り戻しも兼ねて茎の3分の1を残して刈り取ります。ダイヤーズカモミールを染料として利用する場合は、開花期に株元から刈り取ります。

 [夏対策]暖地では高温と多湿で弱るので、夏は50〜70%遮光するか、涼しい場所に移動させるとよいでしょう。夏の水やりは、葉に水が掛かると蒸れるので底面灌水をしてあげるとよいでしょう。暑さの強い日中は水やりは避け涼しくなった夕方に行うとよいです。

 [植え替え・株分け]梅雨前に株分けを兼ねて植え替えます。鉢いっぱいに株が広がったときが植え替えの適期で、年に2回ほど行うとよいでしょう。

 [香りの芝生]ローマン種を芝生として栽培する場合は、15〜20cmの株間で植えつけ、花期で茎が立ち上がる前に刈り込みを繰り返して花を咲かせないようにします。

 [ふやし方]ローマン種は種子や株分けで増やします。ノンフラワーは種子ができないため挿し芽で増やします。



【E】 カレープラント
 [収穫]開花したら早めに収穫を兼ねて株元から3分の1を残して刈り取ります。刈り取ると土際から新芽が出てきます。

 [冬越し]暖かい軒下などで霜に当たらないようにします。水やりは控えめがよいでしょう。

 [梅雨時期の管理]高温多湿に弱いので梅雨前に混みあった枝を剪定し、風通しをよくしてください。日当たりのよい軒下などに置き、雨に当たらないようにしましょう。




【F】キャットニップ
ミントに似た香りで、キャットミントは近縁種です。

 [ネコ対策]ネコがたいへん好むハーブなので、荒らされる心配のあるときは、金網などで囲いをするとよいでしょう。鉢の場合は届かない場所に置きましょう。

 [収穫]葉は、いつでも摘んで利用できます。花が咲いたら株元から刈り取ります。日かげで乾燥させてドライフラワーを作ることもできます。

 [株分け]春か秋の彼岸の頃に、鉢いっぱいになった株を切り戻しも兼ねて株分けします。

 [置き場所]日当たりのよい場所で、冬は鉢が凍らなければ、戸外でも大丈夫です。

 [ネコ用ぬいぐるみ]ネコの玩具としてぬいぐるみの中にドライのキャットニップを布袋に積めたものを入れて作ります。

 [品種]キャットニップ、キャットニップ・レモン





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