■チタンは金属イオンが溶け出さない為、耐金属アレルギーに有効な金属ですが、同時にチタンは電気メッキができないため、長い間コーティング技術の進歩を待つ状態でした。その後、チタンをイオン化して電子ビームで表面に衝突させるチタンイオンプレーティングという技術の開発のおかげでチタンのコーティングが可能になりました。
このイオンプレーティング(IP)とはNASAの宇宙開発の技術から生まれた表面処理の最先端技術です。
真空装置内でプラズマを生成し、蒸発原子をイオン化した後、電子ビームで加速してチタンなどに
衝突させて皮膜を形成する方法です。
このイオンプレーティングは密着性や耐食制にすぐれ、従来の湿式メッキのように廃液も出ないため、無公害の技術です。
ただ、金属アレルギー防止の為にチタンのイオンプレーティングを使用しても、残念ながらチタンイオンプレーティングは時間とともに黒く変色(酸化チタンTiO2)していきます。
そこでこの技術をベースに、硬化層と表面にプラチナや金をイオンプレーティングでコーティングする新しい技術が開発されました。
この技術のプラチナイオンプレーティング(ゴールド、ブラック)を利用した商品が、当社のチタンジュエリーです。
その後、この技術を応用して、従来の金やプラチナなどの金属アレルギーでお困りの方のジュエリーにこのコーティングを応用できないかと研究を始めました。
単純にジュエリーにイオンプレーティングをしただけでは、金属アレルギーが防止できない実験結果も出て、試行錯誤の結果、高価なプラチナとチタンをイオン化したイオンプレーティング技術と、特殊な下地処理との組み合わせで、きれいな耐金属アレルギーコーティングを実現いたしました。尚、このコーティング法で制作した商品は、金属アレルギーの患者様に装着テスト(1ヶ月間)を東京、神奈川、兵庫の各皮膚科で行い、金属アレルギー防止効果の確認(詳細は『コーティングの安全性の検証』を参照)を無事完了しております。
特殊下地処理は特許出願中
また、ブラックには通常ブラックIPを使用しますが、通常のブラックIPに表面を突き破るようなキズが付いた場合、黒基調の中では傷が目立ってしまいます。そこで、当社ではIP加工で一番高価(プラチナIPより高価です)ですが、より強度で高硬度(Hv3000以上)、耐摩擦性に強いDLC(Diamond
Like Carbon ダイヤモンドライクカーボン)を使用。キズが付きにくく落ち着いたブラックに仕上がっています。
※当社の商品は金属アレルギー防止を主目的として開発した商品で、金属の溶出検査、金属アレルギーの患者さまへの装着テスト等をクリアーしており、安全性の検証ができております。
ただ、ホワイトゴールド同様、使用状況にて表面のコーティングが摩耗する可能性はございます。
表面のコーティング(IP)が剥離した場合は、再加工ができないため、新たにご購入していただく必要がございます。
↓通常の純チタンの変色見本(酸化チタンTiO2)。
純チタンの変色見本でともにミラー面です。
通常販売されています純チタン製品(写真右)は基本的に変色していきます。 |
※チタンの表面処理にはスパッタリングや陽極酸化法などもありますが、一番高価ですが密着性の高いイオンプレーティングと下地処理の技術で金属アレルギー防止に成功いたしました。
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