有害なTIG溶接ヒューム
 
     
  見えない溶接ヒューム

 日本産業衛生協会が発行する「許容濃度等の勧告」に基づき、じん肺等に関する管理基準を定めている。
この中で、溶接ヒュームの許容濃度は、酸化鉄粉じんと同等の扱いで、法律に準じた管理基準が設けられています。

ところが、一般にTIG溶接では、溶接中に煙の発生がほとんどないため、「溶接ヒュームも発生しない・・・」と勝手な判断により、対策がおろそかになっている例が多くみられます。

しかし、TIG溶接では溶接ヒュームが発生しないのでは・・・決してない!

高温のアーク熱により、蒸気となった金属は気中に発散され、空気中で凝固して目にみえない微細な金属粒子として空中に浮遊することになります。
特にステンレス溶接は、毒性の強いニッケル、クロムのヒュームが発生します。

 
       
  放射性元素トリウム

TIG溶接には、その電極にタングステン電極を使用します。
その電極にトリウム入りタングステンを使う場合、電極を研磨する際に放射性元素であるトリウムが粉塵に含有することになります。
きわめて微量であり、危険性は無いとされているものの、防塵マスクなどを使用しなかった場合、放射性元素であるトリウムを吸い込むことになります。
この結果、肺は放射線の内部照射を受けることになり、溶接ヒュームの毒性とトリウムの放射線の混在により、発癌性が著しく高まると報告している文献もあります。

したがって、安全性の面でもセリタンをお使いになることをお勧めします。

 
       
 

有効な溶接ヒューム対策のためには…

  1. 発生源を密封する
    ロボット等の自動機械を使って溶接している場合は、そのロボットや自動機システムの全体を集塵ブースで囲って、ヒュームが外部に拡散しないようにする。
  2. 全体換気をする
    粉塵濃度が薄くなるので全体的な作業環境の改善にはなるが、溶接作業者自身は高濃度のヒュームにさらされる。したがって実際には実効性のある対策とはならない。
  3. 局所排気装置により吸引する
    溶接作業者の顔面を溶接ヒュームが通過しないように吸引方向、フード形式を設計して、溶接作業者のみならず、その周囲にいる作業者をも溶接ヒュームにさらされる危険性から守る。
    実際的で最も有効な対策といえます。
  4. 防塵マスクを装着して作業する
    最も身近で手軽な対策だが、防塵マスクの使用を作業者に徹底させることが必要条件です。
    現実には防塵マスクの装着を徹底できていない例が多く見かけられます。日常から安全衛生管理の徹底努力が要求されます。
    さらに、溶接作業者は防塵マスクを装着していても、その周辺の人達が防塵マスクを装着していない場合、その人達は全く無防備の状態です。
 
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有害なTIG溶接ヒューム
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最終更新日 : 2003/02/08.