
市原:
その他クラブトラッククリエーターに人気のシンセサイザーとしてmicroKORGが挙げられるのですが、このシンセサイザーがDJにウケたのはどういう理由からだと思いますか?HIPHOPのクリエーターがサンプラーを購入した次にこのmicroKORGを購入する傾向が非常に多いんですよね。
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KORG microKORG
「microKORG」(KORG本社ショールーム内)
栗原: 取っ付き易いっていうのはあると思います。microKORGのスペックは、RADIASの前に販売していたMS2000とほぼ同等なのですが、見た感じが操作しやすそうで「これなら何とかなりそうだ」というような印象を与えたのが大きいと思いますね。
「MS2000」
市原: レトロな感じもかわいらしいですしね。
栗原: シンセサイザーに詳しくないけどシンセサイザーでなにかやりたい。しかしいきなりツマミばかりあるシンセサイザーを購入するのは難しいなあと思っている方にうまくハマったのかなと思います。
金森: KAOSSILATORとか、ELECTRIBEもそうなんですが、決してキーボーディスト向けのシンセサイザーではないんですよね。シンセサイザーがキーボーディスト以外の層に伝わっていく。microKORGもそういった方に対して浸透していったシンセサイザーではないかなと思います。
市原: ボコーダーが搭載されているというのもかなり大きいと思いますね。実際興味をもってご来店いただくお客様が多いんです。「ロボットっぽい音はどうやって出すんですか?」と聞かれることが多くて、「ボコーダーっていうのがあるんです」っていうことを説明し、最近はほとんどソフトのプラグインになっているんで、手軽にボコーダーが使える機材としてmicroKORGを紹介することが多いですね。
microKORGのボコーダー
栗原: 仕事柄ボコーダーは別にめずらしいものでも何でもないんですが(笑)、シンセサイザープレイヤー以外の方におけるボコーダー需要があるようですね。
金森: その前に発売したMS2000でもボコーダーは搭載されていましたが、店頭でもマイクが置かれた展示というのは少なかったと思います。microKORGはまず見た目がかわいらしくて、本体からマイクが生えているっていうスタイルがうまくボコーダーをアピールできたのではないかと思います。
市原:
その後R3が発売され、マイクもコンデンサーマイクからグースネックタイプのダイナミックマイクに変更され、音源自体もキメが細かい音になりました。音源はmicroKORGの系統ではなくRADIASから移植された音源なのですね。
KORG R3
Korg RADIAS
Korg RADIAS-R
金森: そうですね。分厚いSAWWAVEやきらびやかな音を得意としているRADIASの流れをR3が受け継いでいますね。
市原: R3かmicroKORGのどちらを購入しようか迷っているお客様が多いのですが、全然音のキャラクターが違うんでので、実際演奏して好きな方を選んでくださいとアドバイスしています。どちらかというとR3の方がHigh Passが効いていて今風ですよね(笑)。
栗原: やっぱりDJの方の嗜好でどちらのシンセサイザーを購入されるか傾向があるのですか?
市原: そうですね。HIP HOPのクリエーターには太いベースの音やレトロなストリングスの音などを気に入られてmicroKORGを購入される傾向がありますし、トランスやテクノなどのクリエーターの方はR3を選ばれる方が多いような気がします。おそらくそれはプリセットの音で印象深い音が入っているかどうかで決めるという感じでしょうか。あとmicroKORGの使い方にはサンプラーとの組み合わせでフレーズを作り、サンプリングするという方法が多いようです。アナログシンセサイザーの質感が手軽に出せるから支持されているのだと思います。一方R3はUSB端子付きでコントローラーとしても使用できるのでDAWソフトウエアと組み合わせて使う傾向がありますね。
市原: DAWソフトで使用するUSB/MIDIコントローラー系もKORGさんでは力をいれていらっしゃいますが、シンセサイザーメーカーでUSB/MIDIキーボードを発売したのはKORGさんが初めてだったのではないでしょうか?
坂巻:
パッドもついてスライダーもツマミもついているマルチなUSB/MIDIキーボードはmicro KONTROLが初めてだったと思います。
KORG microKONTROL
市原: デザインも優れていて価格も手頃だし、バンドルされているソフトウエアも豊富でこれだけあればとりあえず曲作りができて、かなりお買い得だと思います。ミニ鍵盤を採用しているのはプレイヤー向けというよりコンピューターミュージック制作用の音色確認用を意識されているのでしょうか。
坂巻: そうですね。弾きやすさを重視するよりは、コンパクトやノブ/フェーダーがたくさん付いた方がパソコンでの曲作りが楽しめるのではないかという考えからですね。
市原: ロータリーエンコーダーとLCDが付いているというのも斬新でしたね。
坂巻: これはMIDI/USBコントローラーキーボードのスタンダード的な商品だと思います。
市原:
その後、KORGさんのシンセサイザーの技術を詰め込んだソフト音源M「Legacy Collectionシリーズ」が発売されるんですが、初めは「MS-20」「Polysix」「WAVESTATION」そしてMS-20のコントローラー付きの「Legacy Collection」として発売して、その後「WAVESTATION」と「M1」をパッケージにした「DIGITAL EDITION」、「MS-20」と「Polysix」をパッケージにした「ANALOG EDITION」、「MS-20」とMS-20のレプリカUSBコントローラーのセットの3種類が発売され、最終的に現在は「DIGITAL EDITION」とMono/Polyが追加された「ANALOG EDITION 2007」が現在発売されています。私はDIGITAL EDITION、ANALOG EDITION共に発売されてすぐ購入しました(笑)。やっぱりM1は憧れのシンセサイザーだったので、それがソフトシンセで手に入るとなるともう買わざるをえない衝動に駆られたんです。まずDAWを立ち上げて、MIDIで打ち込みするときは必ずと言っていいほど「DIGITAL EDITION」のM1を使用します。ある程度打ち込みをした後、各パートの音作りに集中するといった具合です。
KORG Legacy Collection Digital Edition
KORG Legacy Collection ANALOG EDITION 2007
坂巻: 「DIGITAL EDITION」に関しては低価格でなかなかここまでのクオリティーの高いマルチ音源のソフトウエアってなかったんですよね。
市原: そうなんですよ。これからDAWでの曲作りを始める方で、どんなソフトシンセを使えばいいかと悩んでいるお客様にはまず、「DIGITAL EDITION」をオススメしています。さらにアナログチックな音色で自分の音を作りこみたいという方にはANALOG EDITION 2007を薦めています。
金森: まさにそれが狙いですね(笑)。
市原: あと何が素晴らしいって、プラグインエフェクト「MDE-X」。これが抜群に良いんですよ。
「MDE-X」スクリーンショット
坂巻: あっ、そうなんです。シンセサイザーの相性とものすごい良いんです。
市原: KORGさんらしく高域が抜ける気持ち良い音がしますよね。まだANALOG EDITIONは2007バージョンにアップグレードしていないんで早くしないとなっと思ってます(笑)
水原: Mono/Polyメチャクチャ良いですよ〜(笑)。 ところで市原さんはもしDIGITAL EDITIONのM1に機能を追加したいとするなら何があります?
「Mono/Poly」を立ち上げたPCとmicroKONTROL
市原: う〜ん、そうですねぇ。ハードのM1に搭載しないフィルターまで付いているじゃないですか。しかもTシリーズや新しいオリジナルの音源まで付いているんでこれで十分でしょう(笑)。しかも動作が軽いのでDAW上で何個も立ち上げられるのが便利です。マルチティンバーに設定するのがめんどくさいので(笑)、トラックごとに使ってますね。
「M1」スクリーンショット
坂巻: ソフトの軽さにはすごくこだわったところです。
栗原: 当時のM1本体ではできないことをこのソフトで縦横無尽にできるようになりましたね。
市原:
クラブミュージックを制作する方に是非使っていただきたいですね。あっ!コントローラー系で思い出しました!padKONTROLという商品です。いろんな他メーカーから発売されているUSB/MIDIパッドコントローラーを試したんですが、padKONTROLが一番パッドの反応が良いんです!
「KORG padKONTROL」
坂巻: そうです!これもめちゃくちゃこだわってます!(笑)
栗原: パッドを叩いた時のベロシティの出方など試作段階からかなり試行錯誤して現在の形にまとまっています。
市原: Hifanaのkeizo MACHINE!さんも気に入って使ってますね。
坂巻: うれしかったですね〜。サンプラーを音源にしてコレ叩いて演奏しているって聞いたときは(笑)
市原: 私もいろんな方に「サンプラーのパッドよりpadKONTROLの方が反応が良い!」って言われます。そういえば海外ですと指ドラムがすごく流行っているようですね。
坂巻: そうみたいですね。YouTubeなどの動画配信サイトでもすごくアップされていますね。これでドラムンベースやったり生ドラムをシミュレーションしたり。またはバンドでブレイクビーツなどのポン出しに使われていたり。