母から子へ受け継ぐ伝統〜ミティラアート〜

ネパール東部の平野地帯とインドのビハール州東北部を含む一帯をミティラ地方と言います。そのミティラ地方で母から娘へ3000年に渡って伝承されてきた壁画がミティラアートです。

ミティラアートの壁画昔からミティラ地方の村々ではお祭りや結婚といった特別な行事に合わせて、村の女性たちが動植物や人間、ヒンドゥー教の神様といった様々な題材の絵画を土で作られた家の壁や中庭に描くという伝統があります。小さな頃から娘は、母からミティラアートを描く技術を習い、絵のパターンを覚え、やがて結婚の年齢になる頃には既にパターンを暗記しています。例えば、結婚する時には新郎新婦の寝室の壁に「コバール」と呼ばれる独特の図柄がその家の女性たちによって描かれます。このコバールを構成する幾つかの図柄やデザインは全て決まりがあり、それぞれ子孫繁栄や末永い夫婦の愛情などを意味します。中央に描かれる蓮の葉と茎の大きなデザインは女性、その横に描かれる竹のデザインは男性をそれぞれ象徴しています。これらの周りには鳥のつがい、蛇のつがいなどが位置し、これらは相思相愛などを意味しています。

ネパールの手工芸品団体「サナハスタカラ」は、これらミティラアートが描かれた様々な商品をネパール国内での販売だけでなく、海外の多くの国へ輸出をしています。シャプラニールはこの「サナハスタカラ」を通して、日本の皆さんへミティラアートの伝統技術をご紹介しています。

ミティラアート生産者「サナハスタカラ」の生産者の一人、レヌ・カルナさんはこう言います。
「14才くらいから母に教わって壁や床にミティラ画を書くことを始めました。8年前からは仕事としてミティラ画を描いています。昔は夫の理解がなくて外に出ることも難しかったのですが、仕事をすることで友人が増え、また収入を子供の養育費等に充てることが出来ています。ミティラ画を外国に売ることで家計が楽になったし、外国人を含め多くの人が賞賛してくれるので自分の仕事を誇りに思います。」


ミティラアート
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