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【最終工程】 

35.ガランから取り出した鍋は、無垢の鉄の塊。独特の色合いは、ダッチオーブンフリークならひと昔前のシーズニングされていないダッチオーブンを思い出す色だ。
36.まだ細かなバリがついているので、これを一つづつ落とす必要がある。
実はこの段階でそのまま出荷している海外の安価な鋳物製品は少なくない。安さに飛びつかないで欲しい。
37.まずは粗砥のサンダーで削り取る。
38.次に目の細かいハンディ研磨機で仕上げ。鋳込み口がどこだったのかほとんどわからない。 39.飛び散る火花とともに、どんどんエッジがとれてなめらかになってくる。

40.別鋳型で作った蓋に、同じく鋳物の若葉のつまみを取り付け、鍋の原型が完成。
これに、南部鉄器独特の黒い塗装が施される。

41.丁寧で素晴らしい仕上げをしてくださった、及精工業所 小沢彰宏さん。これほどまでに硬くて冷たい鉄製品に、ぬくもりを吹き込むのが、このような職人さんたちだ。


一人でも多くの人々に、ニッポンの職人の丁寧な仕事ぶりを、評価して欲しいと願う。

このような熟練職人による手作りを評価することが、ニッポンのモノ造りの復権につながっていくはずである。

(終)


 

【取材を終えて】

被災地の岩手県奥州市にもかかわらず、3.11の東日本大震災の3日後には製造を再開した及精鋳造所さん。その逞しさに敬意を表するとともに、東北復興へのエールを込めて取材をお願いしたが、こんな時期にもかかわらず、快く受け入れていただいた。誠にありがとうございました。

(株)及精鋳造所  及川敬社長


及精鋳造所さんは今回取材した鍋等よりも、自動車エンジン部品等の産業製品が主力とのことだが、震災後、東北の多くの自動車工場や各種製造業がストップしたというニュース報道に接し、世界に冠たるニッポンの製造業を根本から支えているこのようなメーカーさんを皆で応援していくことが重要であると痛感した。

 

※ 取材の鍋は、最後に南部鉄器独特の黒い塗装をして完成となる。今回は時間の関係で塗装している現場は見ることができなかったが、 近年の南部鉄器の塗料は、カシューナッツから抽出した天然樹脂のカシュー塗料である。もちろん人体には無害の天然成分で、日本の漆とほとんど同じ性質を持っている。

 

 

【震災支援】

この鍋の売上げの一部を、東日本大震災の医療活動、復興支援のため

下記団体(AMDA-MINDS)へ寄付させて頂きます。 【1個につき1,000円】

AMDAとは、The Association of Medical Doctors of Asia
(設立時の名称:アジア医師連絡協議会)の頭文字をとったもの。
AMDAは、世界各地の被災地域で医療活動を展開。 AMDA-MINDSは、AMDAの関連法人で、開発途上国における地域の発展と、人々の生活の向上に継続的に寄与するため、中長期にわたり社会開発事業を実施している特定非営利活動法人。

毎月、寄付を行いページでご報告致します。

→ AMDA-MINDS、 AMDAで検索して下さい。

 


デザインバリエーションは3つ

南部鉄器・手作り両手鍋22cm

こちら


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