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【鋳込み〜表面加工】 

※ 鋳込み・・・溶けた鉄を鋳型に流し込むこと。

19.完成した砂型に、1500℃の鉄を流し込んでも砂型が壊れないように、鉄枠をはめその上に強烈な重量の重りを載せる。 20.超高温な鉄の熱膨張&収縮を抑え込むにはこの重さが必要なのだ。尋常なじゃない!!

21.いよいよ鋳込み。キューポラから、溶けた鉄を、大きなヒシャク (湯汲み)にいれる。
22.一般的な製品は、一つの注ぎ口から鉄を流し込むが、この鋳物鍋はその薄さと独特のハンドル形状のため、特にスムーズに鉄を流し込む必要がある。
そのため、このように 二人がかりで同時に、しかも同量を呼吸を合わせて流し込まなければならない。
ベルトコンベアーで流れる量産品との決定的な違いだ。
23.溶けた鉄の強烈な遠赤外線により、離れていてもかなりの熱を感じる。マグマのような光を発していた。
24.重りと鉄枠を外し、しばらく冷ます。
25.約30分後に砂型を崩すと、中から鈍い鉛色をした鍋が姿を現した。まだ手では触れられない超高温。

26.鉄を流し込む通路もすべて残った状態。まるで遺跡から掘り出された古代の鉄器のようだ。

27.金槌で、鉄の注ぎ口部分と通路部分の余計なバリを割って取り除く。 28.この段階では、さほど細かくバリ取りは行わなくても大丈夫。
29.こちらは ショットブラストという専用の機械。
これは
鍋の表面には砂が焼き付いているため、ぐるぐる回転しながら微細な鉄球を強烈なチカラで吹き付ける。まるで大型ドラム洗濯機のような形状である。
30.ショットブラストの鉄球。砂を落とすというよりは、表面を少々削り取るといったところか。
ショットブラストは回転しながら鍋が下に落ちるため、繊細な形状のモノだと欠けやすい。この薄手の鍋「リーフ」は、その点でもロスが出やすい。
31.次は、ガラン
ショットブラストでざらざらになった表面を、鋳物の表面の質感を残しつつもなめらかにする行程に使う機械。
大きさも形状も異なる金属破片や鋳物くずを入れたガランに、鍋を入れてこちらもショットブラスト同様に回転させる。
32.ご覧の通り、大きさがあまりに違いすぎる金属片。鍋底のようなサイズのものも。均等より、これが研磨にはいいとのこと。なぜだ?!
33.回転により研磨され、角がとれて丸くなった金属片。アートになりそうなモノが多数ある! 34.ゆっくり回転すること約10分。時間が長いと製品のコーナー部分のエッジがとれてしまうのでほどほどに。回転時の音から名付けられた機械。

そして最終仕上げへ。




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