夫婦で仕上げる二人三脚グローブ作り。
「グローブづくりはお父さんの裁断がすべて。
裁断がうまげにいかんと、いくら一生懸命縫うてもええグローブには仕上がらんけんね。裁断は経験がものをいう作業やけん」
ツヤ子さんは裁断から縫いまで
夫婦でするからわかることが多いという。
「例えば裁断されてきたグローブパーツの中に、人差し指だけやけに長い人がおったとするやろ。パーツだけを渡されて縫うだけの人やったらなんも不思議に思わんとただ縫うたらええだけ。
うちはお父さんが革を裁断しとるんを見よるけん、その場でその指の長い人の手型も見とる。やけん、そうや。この人はこんな手の人やったって安心して縫えるんよ。
逆にな、この裁断はどうな?っていうもんにも気がつけるん。裁断と縫製は夫婦で二人三脚でやるんがええね。相手の悪いとこがすぐわかるけん」
何十年も芳田さんが裁断したパーツを
ゴルフグローブへと縫いあげてきたツヤ子さん。
「このミシンは薄手もんを縫うんがうまいんよ。
ゴルフグローブを縫うんにちょうどええんわ」
芳田さんと過ごしてきた
同じ年月を共に歩んできた相棒のブラザーミシン。
今日もステッチを刻む音が響いている。
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