プロテインスキマー特集

海水には食塩(塩化ナトリウム)をはじめとした様々な物質が含まれていますが、淡水に比べて粘性があるため細かい空気を吹き込むと不純物や細菌が泡状になって浮いてくる性質があります。
荒天の海岸に見られる波の花はこれと同じ原理で発生しますが、プロテインスキマーはこの性質を利用した海水専用の器具です。
魚の排泄物や食べ残し(たんぱく質=プロテイン)はバクテリアによりアンモニア、亜硝酸、最後に硝酸塩へと変化します。
硝酸塩は魚にとって比較的無害ですが生体へのストレスやコケの発生を招いたり、ミドリイシなどの水質の悪化に敏感なサンゴは成長阻害や白化などのダメージを受けてしまうことがあります。
しかしバクテリアに分解される前段階であるたんぱく質からスキマーは除去することができるのです。
このようにプロテインスキマーはサンゴだけでなくすべての海水生体に有効なアイテムです。

バクテリア分解の過程


プロテインスキマーの仕組み

チャームの海水生体ストック水槽でも大半の水槽にスキマーが設置されており、生体の状態向上にも不可欠な設備となってます。 最近では小型水槽向けのスキマーも続々と登場しより身近な存在となりました。 それではプロテインスキマーがどういう仕組みになっているか、簡単な図解でご説明しましょう!

図解エアーリフト式

図解ベンチュリー式


●プロテインスキマー設置のメリットをまとめると・・・

・フィルターの負担を軽減させる
・水換えの頻度を減らすことができる
・水の黄ばみやにおいを抑えることができる
・コケの発生を抑えることができる
・塩ダレを発生させずに水中の溶存酸素を増やすことができる
 (殺菌作用があるオゾンを添加する際は生体に触れると害があるためスキマー内で溶解させることが多いです)
・水質をよい状態に保てるのと、病原菌もある程度除去できるので病気の発生が抑えられる
その反面、水中の不純物のほかにサンゴをはじめとした生体に必要なカルシウムなどの微量元素も失われてしまうので必要に応じてカルシウムリアクターや添加剤を使う必要があります。


プロテインスキマーを用いた海水水槽システム

●ウエット式システム(淡水・海水)

エサを多く食べる魚を飼育する際に有効なシステムです。
有害なアンモニアをろ材に付着した大量のバクテリアによって速やかに硝酸塩へと分解させますが、スキマーを設置することによってメインろ過の負担を減らします。
この場合のスキマーはメインのろ過を助ける補助的な装置となります。

●ベルリンシステム(海水のみ)

ミドリイシなど硝酸塩の蓄積に弱い生体を飼育するのに有効なシステムです。
大型プロティンスキマーにより発生したたんぱく質をこの時点で極力除去してしまいます。
ろ材が入っているとバクテリアによってどんどん硝酸塩へと分解されてしまうのでろ材は入れません。
欠点としてはエサを多く食べる魚は入れることができませんので、サンゴをメインに小型ハゼやテグリなどをワンポイント的に飼育する場合に適しています。

取扱いの注意

●エア調整について

汚れを効率的に除去するにはエア調整をしっかりとする必要があります。
特に立ち上げ時はその機種が推奨する高さまで泡が上がるまで時間をかけて調整してください。
添加剤や吸着剤を入れたとき、電源を入れなおしたり水を交換したときはスキマーが暴走してオーバースキム状態になってしまうことがあるので注意が必要です。

●メンテナンスについて

泡が上がる部分に泥がたまると汚れが取れませんので定期的なメンテナンスが必要です。
この部分に油分が付着すると泡立ちが悪くなりますのできれいな手や布で洗剤などを使わずに汚れを落としてください。
機種によってはウッドストーンの交換やポンプのインペラーの掃除も必要です。

水量別一覧

※ベルリン式の場合は対応水量を1/3〜1/2程度にみてください。



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