平成20年3月17日
株式会社ベアレン醸造所


事故状況および対策のまとめ

ベアレン醸造所では、本日までに独自に事故の状況を下記の通り整理し、再発防止の対策をとりました。

1:事故状況の整理


当日は、樽詰めの作業を行っていました。第一減圧弁を0.5Mpa(1Mpa=約9.87気圧)に、第二減圧弁を0.1Mpaに設定していましたが、第二減圧弁は高圧ボンベ用の減圧弁だったため、調整可能範囲が広くラフな設定になっていたものと思われます。

後日の調査で、樽詰めを行っていた樽の内圧が約0.14Mpaであったことから、実際の第二減圧弁からの加圧は0.12Mpa程度だったと推測しています。

タンクは40年ほど前に製造されたアルミニウム製のもので、事故後の調査から溶接面の不良などがあったと推測され、マンホール部分の強度面での問題があったと考えています。

樽詰め開始より約1時間後、作業員がバルブおよび減圧弁を二つとも閉めて現場を離れた後、タンクのマンホール部分が破裂し、ビールが噴出しました。タンクの構造上、そのビールの噴出によってタンクを動かすのに必要な力の約3倍の力がかかり、その力によってタンクが壁を突き破り、偶然、反対側の部屋で作業をしていた佐々木さんにタンクが直撃、事故を引き起こしたものと考えています。



2:再発防止の対策

@ タンク強度検査の実施

オヤマダエンジニアリングにより、全タンクの強度検査を実施しました。
この結果より使用を予定したタンクについて、ボイラークレーン協会による耐圧試験実施報告書を取得しました。
今後は、この結果より安全の確認されたタンクのみを使用いたします。
アルミニウム製のタンクを使用する場合については、構造上不安定なので足場を固定して使用いたします。


オヤマダエンジニアリングによる強度検査

ボイラークレーン協会の耐圧試験結果報告書


A 減圧弁の再設置、安全装置の設置

高圧ボンベ用だった第二減圧弁を廃棄し、新たな減圧弁を昭和炭酸より購入、再設置しました。
安全装置は、2種類を設置します。設定値以上の圧が流れた場合、ひとつは電磁弁によって自動的にガスの供給を止めるもの、もうひとつは機械的にガスを一気に放出するものです。(機械式は3月末頃に設置予定です)
発酵などによる緩やかな圧力上昇を防止するスプントバルブについては、使用する全タンクに常設します。
圧力計についても全タンクに統一した単位のものを常設し、作業記録として毎回測定を行います。

新たに設置された第二減圧弁


B 手順書、安全マニュアルの作成

手順書、安全マニュアルを外部専門家(*下記参照)の指導の下、作成しました。
それに則し、今後は作業ごとに作業報告書を作成し、圧力のチェックについても毎回行います。
現場を離れる際の手順、工場内の出入りのルール、タンクの洗浄方法など取り扱いについても定めました。
工場内の安全通路を確保し、整理整頓を心がけてまいります。

新たに作成した手順書および安全マニュアル


C 今後のチェック体制について

安全衛生教育規程を設けます。これにより、毎月安全の日を設定し、製造スタッフの教育、危険性の共有に努めるほか、年に一度の全社安全の日を設定し、全社的に継続的な安全対策への意識向上に努めます。
ヒヤリハットボードの設置による危険性の共有、外部専門家*による定期的チェックを受けます。
安全衛生管理組織を創設し、責任者を社長の木村剛に任命しました。
使用するタンクについて、年に一度の定期自主検査(検査内容は専門家より指導を受けた)を実施いたします。
減圧弁については、作業日ごとに点検を所定のフォームに則って行います。

危険性を共有するヒヤリハットボード

*嶌田昌郎氏:元東京電力発電所勤務。シニアセーフティリーダー、統括安全衛生責任者などの資格を持つ。

皆様よりのご意見をお願いいたします。
お電話 019-606-0766
メール web-m@baerenbier.com


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