平成20年2月12日
株式会社ベアレン醸造所

経過ご報告

この度は弊社にて発生しましたタンク破裂事故によりまして、大変ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
ただいま分っております経過に付きまして、ご報告させていただきます。

■事故の概況

事故はさる1月22日午後1時過ぎに発生いたしました。事故後の状況より、タンクのマンホール部分が断裂したことによりそこからビールが噴出し、その反動でタンクが動き、壁を突き破って反対側に偶然いた製造スタッフ佐々木陽一さんを直撃したものと推測しております。

■考えられる原因

原因についてはいまだ特定するにいたっておりませんが、タンク圧の問題、そしてタンクの強度の問題の両点について調査、対策を進めております。

＜タンク圧の問題について＞
過剰な圧力がタンクにかかっていたのではないかという点について検証をしておりますが、当社の調べでは、事故当日の操作は正常に行われており、専門業者の意見を聞いても直接起因する原因が見当たっておりません。炭酸ガスは減圧弁を通して供給しておりますが、通常圧の0.1Mpa*で供給しており機器も正常に動作している事を確認しております。事故直前にはビールの樽詰めを行っておりましたが、樽詰めされた樽のガス圧、ビールのガスボリュームも正常な値でした。しかし、事故の起きたタンクには圧力を計測するゲージがついておらず、過剰な圧力がかかっていなかったことが予測されるものの、正確なタンク内のガス圧は不明です。また発酵によるガスを緩やかに抜くスプントバルブもついておりませんでした。これらは、事故の起きたタンクは発酵の完了した完成品のビールしか入れていなかったためですが、これらの点は改善してまいりたいと考えています。具体的には以下の点にすでに取り組んでおります。
・ すべてのタンクへのタンク圧測定用のゲージ取り付け
・ 稼動タンクへのスプントバルブの取り付け
・ 減圧弁の再設置、異常な圧力上昇を回避する安全装置の取り付け
・ 作業手順の見直し、文書化
>>接続図の図解を作成しています。こちらよりご覧いただけます。

＜タンクの強度の問題について＞
事故のおきたタンクは約40年近く前にドイツで製造されたアルミニウム製のタンクです。日本ではあまり見られませんが、ドイツでは現在でも多く使われているタンクです。しかし、経年変化による金属疲労、溶接面などの腐食などタンクの強度に問題があったことは否定できません。当社ではタンク強度の定期検査もこれまで行っておりませんでした。
今後、使用するタンクについての強度検査を実施します。現在すでに検査方法など専門業者の方々のご意見を取り入れて進めております。また、取り扱いにも不備があった可能性があることから、タンクの耐圧強度の調査、洗浄方法の見直しなど取り扱いについての改善を進めております。さらに、これらを文書化し、スタッフに周知徹底を図ってまいります。

原因の特定にはなお、時間がかかるものと考えておりますが、特定される原因のみを対策とするのではなく、これを契機にたとえ事故とは関係ないと思われる事項についても幅広く対応し、それらが総括して事故原因の対策になっているよう対応していきたいと考えております。今後も、タンクや圧力関係などに携わる多くの専門家の意見を聞き、問題点を洗い出していき、どんな些細な可能性のある問題点でもその対策を行ってまいります。

■今後について

上記に記載しました対策を続け、しかるべき第3者に安全の確認が取れたと認められるまで引き続きビールの製造（瓶詰め、仕込などすべてを含む）を休止させていただきます。当面、ご迷惑をおかけすることになりますが、なにとぞご了承ください。

在庫のありました商品に関しましては県内の酒販店、飲食店を中心に出荷をいたしましたので、在庫のあるうちはお求めいただけます。

故人の死を悼み、哀悼の気持ちをささげたいと考え、事故現場近くに献花台を設けました。大変多くの方々に献花をいただき、大変ありがたく思っております。また、多くの方よりお見舞いや励ましのお言葉などいただきました。ありがとうございます。この場をお借りしましてお礼申し上げます。

＜献花の受付＞
毎日の10時より18時まで。受付は醸造所直売所です。
ただし、2月17日、24日、3月2日、9日の日曜日は直売所はお休みになりますのでご了承ください。

改めて今回の事故につきましては、多くの方々にご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。再発防止に全力で取り組むのはもとより、今後も情報はきちんと公開してまいりますので、皆様よりご意見を賜れましたら幸いです。今後ともご指導、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

ベアレン醸造所へのご意見はこちらまでお願いいたします。
お電話 019-606-0766
メール web-m@baerenbier.com

*Mpa（メガパスカル）：圧力を測る際に一般的に使われる単位で、1Mpa＝約9.87気圧。

以上

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