タイヤの空気圧や保管方法、使用限度など購入後のタイヤ管理のポイントをご紹介致します。
タイヤの空気圧 タイヤ規格による適正空気圧の違い タイヤの使用頻度について タイヤの保管方法について
乗り心地やタイヤの性能を発揮するのにタイヤの空気圧は重要なポイントです。 空気圧の指定はタイヤ自体にはなく、装着する車の重量(荷重)から、車輌を支えるのに必要な空気圧が自動車メーカーによって指定されています。同じサイズのタイヤが装着された車でも、重量により異なる指定空気圧が設定されていることがあります。
空気圧は低すぎても、高すぎてもよくありません。
空気圧は最低でも月に1回を目安に点検し、車にあった最適な空気圧に調整する必要があります。





空気圧不足で走行した場合
タイヤのショルダー部分に偏摩耗(片減り)が発生しやすくなりタイヤが長持ちしません。
発熱によって起こる損傷(ヒートセパレーション)が発生しやすくなります。
ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。
路面との転がり抵抗が増加するため、燃費が悪化します。

空気圧過多で走行した場合
タイヤトレッド面の中央部分の偏摩耗(センター摩耗)が発生しやすくなりタイヤが長持ちしません。
走行中に跳ねる感じがして乗り心地が悪化します。
ちょっとした衝撃などで傷を受けやすくなるため、バーストやコード切れが発生することもあります。





タイヤのサイズが同じでも、車によって適正空気圧が異なる場合があります。自動車メーカーによって純正タイヤの適正空気圧は決められており、「指定空気圧」と呼ばれています。

「指定空気圧」は運転席ドア開口部などに表示されていますので、ご確認ください。

ただし、新車に装着されている純正タイヤ以外のタイヤを装着する場合は、適正空気圧に調整する必要がありますので、当店やタイヤ取付店にご相談ください。
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世界には米国のTRA(ティーアールエー)、ヨーロッパのETRTO(エトルト)、日本のJATMA(ジャトマ)といったタイヤ規格を定めている組織があります。それぞれタイヤの寸法や負荷能力を制定し、その規格に沿ってタイヤが設計されています。 タイヤは国際的に流通している自動車部品ですが、国により規格が異なるのが現状です。現在、タイヤ規格の共通化が進められています。

このように「XL」や「EXTRA LOAD」のような刻印があるタイヤはエクストラロード(XL)規格、「REINFORCED」や「RFD」と刻印があるタイヤはレインフォースド(RFD)規格と言います。



AUTOWAYのタイヤで「XL規格」「RFD規格」でないものは、ほとんどがETRTOスタンダード(STD)規格か同等規格になります。





ヨーロッパのタイヤ規格(ETRTO)で規定されているタイヤには、スタンダード(STD)規格と、エクストラロード(XL)規格があります。
エクストラロード(XL)規格のタイヤは、内部構造を強くすることにより、スタンダード(STD)規格のタイヤよりも高い空気圧設定ができるため、より大きな負荷能力を発揮します。

「エクストラロード(XL)規格は、レインフォースド(RFD)規格と呼ばれる場合もあります。名称は違いますが同じ意味です。以下「エクストラロード(XL)規格」の表記でご説明します。





例としてタイヤサイズ「215/45R17」で考えてみます。日本の国産新車装着タイヤのほとんどで採用されている JATMA規格とヨーロッパのETRTOスタンダード(STD)規格のロードインデックス(※1)は87に対して、エクストラロード(XL)規格のロードインデックスは91です。タイヤの大きさを変えずに負荷能力(※2)を高めることができることを表しています。



(※1)ロードインデックス:荷重指数。タイヤ規格で定められた、タイヤの最大負荷能力を示す数値。
(※2)負荷能力:1本のタイヤで支えることができる荷重のこと。単位はkgです。

下のグラフからもわかりますが、空気圧が250kPa(2.5kgf/cm2)までだと、JATMA規格はETRTO規格よりも高い負荷能力があることがわかりますが、260kPa(2.6kgf/cm2)を超えるとエクストラロード(XL)規格に逆転されることがわかります。



高い空気圧に設定できるエクストラロード規格タイヤでも290kPa(2.9kgf/cm2)を超えてしまうとタイヤが偏摩耗したり、乗り心地を損ねたりする可能性が高くなります。ロードインデックス毎に空気圧と最大負荷能力は決められていますので、この空気圧(290kPa(2.9kgf/cm2))を超える設定にしても負荷能力が上がることはありませんのでご注意ください。





国産メーカーの新車に装着されているタイヤ(JATMA規格のタイヤ)195/65R15を、215/45R17のエクストラロード(XL)規格のタイヤにインチアップした場合を例にして考えてみます。新車装着タイヤの指定空気圧が210kPa(2.1kgf/cm2)とすると、負荷能力は下記の表から570kgとなることがわかります。この負荷能力を満たすにはエクストラロード(XL)規格のタイヤでの空気圧設定は270kPa(2.7kgf/cm2)必要であることがわかります。







1.空気圧の点検・調整は走行前のタイヤが冷えている時に行う必要があります。
 走行後は、タイヤが暖まり、熱膨張で空気圧が高くなっていますので正確な点検・調整はできません。

2.エアゲージでの点検
 タイヤの空気は自然に抜けていきます。それによって空気圧も低下します。
 タイヤ交換後の1ヶ月間が最も空気圧が抜けやすい時期だと言われています。
 安全のため最低でも月1回はエアゲージでの点検をおすすめします。


3.空気圧の調整をする場合は、指定空気圧・適正空気圧を下回らないようにし、プラス10%を上限としてください。
 高速走行時や乗車人員数が異なる場合に空気圧の調整を推奨する記載のある車もあります。

4.ホイールの変形や、バルブからの空気漏れも点検する必要があります。

5.また、応急用のスペアタイヤも定期的に点検をしておけば、いざという時にきちんと使用することができます。

6.低偏平タイヤの空気圧点検について
 低偏平タイヤは、タイヤのサイドウォール部のたわみが少ないため、目で見ただけでは空気圧が
 減っているかどうかが非常にわかりにくくなっています。エアゲージの数値で確認してください。
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タイヤの使用限度は残り溝1.6mmです。それ以前に新品タイヤと交換してください。
道路運送車輌の保安基準第9条に規定されています。

※ただし、スリップサインが露出する前でもタイヤの状態によっては交換した方が良い場合がありますので、
 定期的にタイヤ取扱店にて点検をご依頼ください。
 また、小型トラック用タイヤは高速道路を走行する場合、残り溝が2.4mm以上であることとする使用制限を守ってください。



残り溝1.6mmを表す目安として、スリップサインを設けています。
スリップサインとは、タイヤの溝底に1.6mmのゴムの盛り上がりを設置した部分をいいます。


タイヤのサイド部には、スリップサインの位置を示す矢印が、
周上6箇所に表示されています。

スリップサインそのものは、トレッドパターン(※1)の溝の奥に
隠れています。

(※1)トレッドパターン:いわば「タイヤの顔」ともいえる部分。タイヤの表面にある溝で構成された柄や模様のこと。



タイヤの溝は、タイヤと路面の間の水はけを良くする、排水溝の役割をしています。タイヤがすり減ると、排水溝が浅くなり水はけが悪くなります。 水はけが悪いと、行き場を失ったタイヤと路面の間の水が溢れ、タイヤのグリップ力が低下します。雨の日に、革靴などの溝のない靴で歩くと、排水ができずに路面と靴の間に水が溜まって滑りやすいのと同じです。

タイヤにとって、溝はとても大切。一般社団法人 日本自動車タイヤ協会のデータによると濡れた路面における新品のタイヤと1.6ミリまですり減ったタイヤの制動距離(※2)には、12メートルもの差(※3)があります。すり減ったタイヤはそれだけ危険なのです。

(※2)制動距離:ブレーキを踏んだ後に、ブレーキが効き始めてからクルマが停止するまでの距離。
(※3)80km/hでの実験によると、制動距離は、新品のタイヤが45メートルなのに対し、溝が1.6ミリに
   減ったタイヤは57メートルとなっている。



タイヤはさまざまな材料からできたゴム製品であり、ゴムの特性が経時変化するのに伴い、タイヤの特性も変化します。その特性の変化はそれぞれ環境変化・保管状況及び使用方法(荷重、速度、空気圧)などに左右されますので、点検が必要です。お客様による日常点検に加え、使用開始後5年以上経過したタイヤ(スペアタイヤ含む)については、継続使用に適しているかどうか、すみやかにお近くのタイヤ販売店等での点検を受けられることをお勧めいたします。また、外観上使用可能のように見えたとしても(溝深さが法律に規定されている値まで擦り減っていない場合も)、製造後10年経過したタイヤ(スペアタイヤ含む)は新しいタイヤに交換されることをお勧めいたします。なお、カーメーカーがそのクルマの特性から、タイヤの点検や交換時期をオーナーズマニュアル等に記載している場合もありますので、その記載内容についてもご確認ください。

※ここに記載した10年という年数は、あくまで目安であって、そのタイヤの実際の使用期限(継続使用に適してないこと、または安全上の問題があることを示す期限)を示すものではありません。環境条件・保管条件および使用方法によって、この年数を経過したタイヤであっても、継続使用に適している場合もあれば、この年数を経過していないタイヤであっても、上記の環境条件等によっては交換する必要がある場合があることにご注意ください。また、この10年という年数およびタイヤ販売店等による点検のお勧め時期である使用開始後5年という年数は、いずれも各タイヤメーカー・販売会社・販売店による品質保証期間・期限を示すものでもありません。



スタッドレスタイヤは溝の深さが新品時の50%以下になるとスタッドレスタイヤとして使用することは出来ません。使用限度は接地部にスタッドレスタイヤの摩耗限度を示すプラットホーム(※4)が露出しているかどうかで判断してください。その後、サマータイヤとして使用する場合、サマータイヤ同様、残り溝が浅くなると性能が低下します。スタッドレスタイヤにも、サマータイヤとしての使用限度を表すスリップサインがありますので、ご確認ください。また、スタッドレスタイヤは乾いた路面では、サマータイヤと比べて、車の走行性能や静粛性など、ほとんどの性能が低下しますので注意が必要です。冬以外の季節は、安全のため、サマータイヤへの交換をおすすめします。

(※4)プラットホーム:スタッドレスタイヤとしての使用の限界を表すサインで、溝深さが新品の50%まで摩耗すると現れます。
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タイヤは自然な劣化をなるべく抑えることで長持ちさせることができます。タイヤはゴムでできています。そのため、自動車に装着して使用していないときでも、自然と徐々に劣化してしまいます。劣化のスピードは保管方法によって大幅に変わります。下記のタイヤ保管の注意点をご確認ください。

■雨や水分からタイヤを守る
雨に打たれる場所や湿度の高い場所では、ゴムの劣化が早まり、タイヤ内部のスチールコードが劣化する原因にもなります。

■直射日光や高温からタイヤを守る
タイヤは紫外線にさらしたり、高温の場所に長期間置いておくと、ひび割れなどの劣化が起こります。カバーなどをかけて涼しい場所に保管してください。

■オゾンからタイヤを守る
モーターやバッテリーなど、オゾンが発生する機器の近くでの保管は避けてください。

■油からタイヤを守る
ゴムは性質上、油との相性がよくありません。ガソリン等が付着している場合は洗い落とし、タイヤワックスをかけている場合は、ふき取ってから保管してください。

■変形からタイヤを守る
タイヤは自動車を支えるために高い空気圧がかかっています。タイヤをホイールに装着したまま保管する場合は、空気を抜いて内圧を弱め、ゴムの劣化を防いでください。ホイールからはずしてタイヤを保管する場合は、変形を防ぐため、できる限り縦置きにして保管してください。平積みの場合は、時々順番を入れ替えて、下になるタイヤが変形しないようにしてください。


※タイヤは、保管前にきれいに洗浄し、完全に乾いた状態でタイヤカバーをかけて保管すると、よりタイヤの劣化を防ぐことができます。
※ただし、適切に保管していたタイヤでも、長期保管をしたタイヤについては、劣化によって安全な走行が出来ない状態になっている
 場合もあります。ご使用の前にしっかりと点検を行い、安全なタイヤであることを確認してから使用してください。
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