サンゴとは腔腸動物で、炭酸カルシウムを主成分とした骨軸をつくる群体の総称です。宝石としての「珊瑚」といわゆる「サンゴ礁」をつくるサンゴは異なる種類の生物です。
六放サンゴ
ポリプ(サンゴ虫)の触手が6本かその倍数に分かれ、いわゆる「サンゴ礁」を形成するサンゴです。テーブルサンゴ、すり鉢サンゴ、石サンゴなど数百種類とイソギンチャク類が含まれます。
六放珊瑚は体内に共生する褐虫藻という植物が光合成を行うので太陽の光を必要とし、熱帯や亜熱帯の浅く(水深50mまで)暖かい(20℃以上)海岸で、多様な生き物たちに生息環境を提供しています。
骨格は小さな穴が開いた軽石状で非常に脆く、宝飾品には適しません。
八放サンゴ
主に深い海(水深100m以上)に生息する硬質のサンゴで、宝石珊瑚はここに含まれます。宝石珊瑚が属す八放サンゴは、ポリプ(サンゴ虫)の触手が8本に分かれていて、多くは太陽の光が届かない深く冷たい海の底でひっそりと生息しています。
数百ミクロン程度までの微小な浮遊物などを捕食して、ゆっくりと成長して行きます。
八放サンゴのうち、硬く、磨いたときに美しい光沢を得られるものが「宝石珊瑚」として用いられます。これらは、モース硬度で3.5(人の歯と同等)、磨くと美しい光沢を放ち、太古の時代から洋の東西を問わず宝飾品として愛されてきました。
宝石珊瑚として用いられる珊瑚は、サンゴの種類や色などからさまざまに分類されています。
日本産・赤珊瑚(アカサンゴ) | |
当店では地中海産の赤い珊瑚と区別するため、特に日本産のものを血赤珊瑚(ちあか・日本産)と表示しています。
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地中海産・赤珊瑚 | |
当店では地中海産の赤珊瑚を赤珊瑚(地中海産)と表示しています。
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桃珊瑚(モモイロサンゴ) | |
桃珊瑚は赤に近い色から白に近いピンク色まで色調は幅広く、宝石珊瑚の中で最も大きく成長します。
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白珊瑚 | |
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深海珊瑚(ピンク珊瑚) | |
深海珊瑚の生息場所深海珊瑚は宝石珊瑚の中でも際立って深い水深1,000メートルを超える深海底で採取されるのでこの名称が商品名になっています。
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ピンク珊瑚 | |
ピンク珊瑚といった場合は、珊瑚の生物的な分類ではなく「ピンク色をした珊瑚」といった意味合いで、色々な種類の珊瑚が含まれます。 上の深海珊瑚のほかにも、ミス珊瑚(淡いピンク色)、ガーネ珊瑚(ピンク色に白色のコントラストが美しい珊瑚)、ミッド珊瑚(少し濃い目のピンク色)などの珊瑚があります。
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黒珊瑚 | |
他の宝石珊瑚とは異なり、六放珊瑚の一種で、今では輸入が禁止されています。 このため、現在流通しているものは禁止される前に輸入されたものです。 黒珊瑚はモーニングジュエリーとしても使われています。特に丸玉のネックレスやイヤリングなどは、喪服に合わせてもお使いいただけます。 |
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生木と枯れ (虫食い) | |
海の中で倒れた珊瑚は時間がたつに連れて、風化して穴が開き、色があせて行きます。 こういったものは、「枯れ」「虫食い」などと呼ばれます(これに対して海中で生きていたものは「生木」などとも言われます)。 また、倒れていた時間によって穴の開き具合や色味なども異なっており、それほど時間がたっていないものは穴も少なく色も濃いですが、時間がたつにつれて穴が多く軽石のようになっていきます。倒れてからの時間によって「一番枯れ」「二番枯れ」など呼ぶ場合もあります。 生木に比べると評価は低いですが、枯れ具合によって独特の味があります。ちょっとマニア向けの珊瑚かもしれません。 |
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