case37   暮らしに寄り添う器。

日々の暮らしの中で、いつも身近に手にする器たち。素材や焼き方によってさまざまな表情をもつ和食器。使っているうちに変化するものしないものがあります。それぞれの性質に合わせた扱い方やお手入れ方法でより長く大切に使い続けましょう。



陶器

陶器は吸水性がある粘土を使っているため、水につけておくとスポンジのように水分を含んだり乾燥したりします。厚みがあり、柔らかな印象を与える素朴な質感が特徴的です。基本的には釉薬がかかっていないので、素地の色がそのまま表れます。(代表的なものとして、瀬戸焼・伊賀焼・ 益子焼が有名です。)


磁器

磁器は”石もの”と言われ、石を砕いたものを原料としているので、吸水性がなく、光にかざすと光が透けて見えます。一般的に釉薬の掛け分けを行わず、均一で滑らかな質感があります。釉薬によって涼しげな色合いが生まれ、透明感があり、絵付けのものも多いです。手触りも良くきれいな印象があります。(代表的なものとして、伊万里焼・九谷焼・有田焼などが有名です。)



始めて使う時に。

陶器は磁器に比べて、強度が弱く、吸水性が高いため汚れが染みやすく、稀に水が漏れる場合があります。はじめて陶器をお使いになる時には、【目止め】をすることをおすすめします。【目止め】とは、米のとぎ汁に付け置くまたは煮沸し、器の表面にでんぷん質でコーティングする事で、昔から陶器を長く使うコツとして行われていたようです。


料理を盛る前に。

乾いた器は水分を吸収しやすい状態にあります。なので、乾いたままの器の上にすぐ料理を盛付けてしまうと、汁気を吸ってしまい、染みなどの原因になります。使用前にサッと流水にさらして、布巾で水気を拭き取るだけで器をきれいにまた良い状態で保つことができます。脂の多い料理の時は、クッキングペーパーなどを敷いて盛付けるのもきれいに保つコツです。


洗ったあとは。

磁器の場合は吸水性もなく、表面がつるりとしているのできれいに拭き取って収納するだけでOKです。一方、陶器の場合は水気を吸収しやすいので、洗浄後はカゴなどに入れてしっかり乾燥させます。水気を残したままにしてしまうと、カビの原因になるのでご注意ください。長期収納する場合は、一日風通しの良いところに置いて、陰干ししておくことをおすすめします。


和食器あれこれ

さまざまな表情がある和食器をご紹介します。料理を美味しく見せてくれるアイテムのひとつです。

蕎麦猪口

古くからから現代まで、ずっと親しまれている台形型の器です。[波佐見焼]

コンプラ瓶

江戸時代に輸出用に作られた酒瓶として活躍した器です。[波佐見焼]

SOAKCUP

薄い縁の口当たりが良く、上品な印象の磁器のカップです。[波佐見焼]

5寸ラッパ深鉢 白磁

凛とした佇まいと、土のぬくもりを兼ね備えた白磁の器です。[九谷焼]

くらわんか碗

江戸時代の商人がくらわんか舟で使用していた茶碗。安定感のある普段使いにちょうど良い器です。[波佐見焼]


perna ティーカップ

半磁器製のツルリとした質感と、どこか懐かしさを感じさせる器です。[萬古焼]

SLIPWARE 長角鉢

泥しょうでシンプルな波模様や直線を生地に描くスリップウェア。独特の風合いは存在感があります。[波佐見焼]

安具楽 9号鍋

てりっとした飴色が豊かな質感で食卓にはえる鍋です。[萬古焼]

ドレッシングボウル

「焼き締め」の手法で、深みのある独特の風合いをそなえた器です。[金山焼] 。

5寸皿 飛び鉋

飛び鉋・打ち刷毛目が代表的な暮らしに寄り添い、 自然に馴染んでいく優しい器です。[小鹿田焼]