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スイスワイン 
■スイスワインの特徴

スイスワインの特徴がよく出ているのは白ワインと言われています。
スイスでは、30種以上の白ブドウが栽培されていますが、その約40%がシャスラー種です。この種は、土壌と気候環境を繊細に反映し、成熟後のワインの特徴や味に現れてくるといわれています。一般的にその味は、フルーティーな芳香をもち、さっぱりとした切れ味の良いドライタイプの白を生産します。スイス東部(ドイツ語圏)では香り豊かなリーズリングやシルヴァーネ種の栽培が主流となっています。

また、赤ワインではピノ・ノアール(27%)が代表的な栽培品種で主にジュネーブ州、ヌーシャテル州などスイス西部(フランス語圏)でピノ・ノアールとしてボトリングされています。
ヴォー州、ヴァレー州では、他品種とのブレンドとして使用されています。

 
ヴァレー州では、12種以上の赤ワイン用品種が栽培されています。ギャメイ種(14%)は、西部のみで育つ赤ワイン用の2番目の代表品種です。
イタリア語圏ティッチーノ州ではメルロー種(6%)のみが栽培されています。
その他、ミュラー・テュルゴー種(5%)、シルヴァーネ種(2%)、となっています。
変わったところでは、知られざるロゼワインとして、ピノ・ノアール種からできる
オイユ・ド・ペルドリ(Oeil-de-Perdrix,山鶉の赤目)があります。
上品でエレガントな風味を持ち、デリケートでまろやかな香気を特徴としており、地元のワイン通では定評のあるロゼであります。
なぜ日本では知られていないの?
日本ではスイスワインはあまり知られていません。
それは、スイスが フランス、イタリア、ドイツのワイン大国に囲まれている事もありますが、国内消費量が国内生産量の3倍と生産量をはるかに上回っているからです。
一言で言えば、スイスはワイン輸出国ではなく輸入国で、国内で生産されるワインは自家消費に回っていると言うことでしょうか。ワイン輸出協会のデータによれば、スイス人は年間一人あたり41リットルのワインを消費しています。97年の赤ワインの消費については国産のものを5.3kl外国産の輸入ワインを15万kl消費しました。白ワインについては、国産のものを6.6万kl、外国産輸入ワインを2.4万kl消費しました。
97年度のスイスのワイン消費量は、29.3万klでした。そのうち、スイス国産ワイン消費の比率は41%(11.9万kl)、外国産輸入ワイン消費は59%(17.4万kl)でした。
 
■長い歴史を持つ由緒正しいワイン
スイスと聞いて思い浮かぶものといえば、アルプスの美しい風景、チョコレート、時計、そして日本で今も人気の高いハイジではないでしょうか。 もし、その中にワインを含めた方は、相当なスイス通と言えるでしょう。

スイスワインが造られ始めたのは古く、ローマ人がこの地に侵攻してきた紀元前一世紀のローマ時代にまで遡り、それ以来長い歴史と文化の中でワイン造りが受け継がれてきた、スイスワインは古い歴史を持つ由緒正しいワインなのです。

 
スイスワインに使われる主なブドウ品種      
●シャスラー(白ワイン用)
スイスワイン全生産量の39%がこのブドウから造られており、ヴァレー州の名産品ファンダンは、世界的にも名が知られている。
●リースリングxシルヴァーナー<ミュラー・トゥルガウ>(白ワイン用)
スイス東部トゥルガウ州出身の、ヘルマン・ミュラー博士によって開発されたブドウ品種。 ベルンからスイス東部にかけて多く
栽培されており、このブドウから造られるワインは、花のような香りが特徴。
●ピノ・ノワール<ブラオブルグンダー>(赤ワイン用)
シャスラーに次いで多く使われるブドウ品種で、スイスワイン全生産量の28%がピノ・ノワールから造られる。 ヌーシャテル州の
ロゼワイン「ウィユ・ドゥ・ベルドリ」は、スイスを代表するこのブドウ品種から造られるロゼワイン。
●ガメイ(赤ワイン用)
シャスラー、ピノ・ノワールに次いで生産量が多く、ジュネーブ州、ヴォー州などのスイス西部で多く栽培され、こくのある赤ワインがこのブドウ品種から造られている。
 
■スイスワインの特徴と愉しみ方
国民一人当たりのワイン消費量は年間44リットル、世界の五本指に入るスイス人は大のワイン好き。 自国で生産されるワインの大半が国内で消費されるので、輸出に回る数量が少ないことから、高い品質にもかかわらずスイスワインの世界市場での知名度は低く、日本では見かけることの少ない希少価値の高いワイン。

土地代、人件費などのコストが高く、また内陸国なので輸送コストも高く付くので、フランス、ドイツなどの近隣諸国のワインと比べてスイスワインは値段が少々高い。 しかし、価格だけ比べるのは野暮なこと、スイスワインには爽やかな美味しさのほかに、こんなすぐれた良さもあるのです。

赤ワインに含まれているポリフェノールが、健康に良いことはすでによく知られていますが。 ポリノフェールの成分はケルセチン、カテキン、エピカテキン、レスベラトールの四つに分けられるそうです。 その中のレスベラトールが一番健康に効果があり、暖かい地域のブドウより、スイスのような涼しく湿気のある地域のブドウに、このレスベラトールがより多く含まれているとのこと。

美味しく希少価値が高いだけではなく、健康にも良いスイスワインにはアルペンチーズとのマリアージュが最高、アルプスの自然が育んだワインとチーズで至福の時に乾杯


いろいろなテキスト、、、
空に向かって屹立する白い絶壁が陽光に映えるマッターホルン。その麓、ツェルマットを舞台に、スイスワイン輸出業者協会(SWEA)主催による『インターナショナル・スイス・ワイン・シンポジューム」が春まだ浅い3月12日〜16日かけて開催された。
 2年に一回、今回が2回目となるこの『シンポジウム」に参加したのは、スイス各地の協会加盟ワイナリーのオーナーと英国、アメリカ、カナダ、そして日本を含むアジア地域から招聘されたジャーナリストや輸入販売業者ら総勢およそ70人。スイスを代表する白葡萄品種シャスラー、イタリア国境近いティッチーノ地方で造られるメルロー、そして、ウマニ・ルージュ、コルナラン、プティ・アルヴァンなどスイス固有の葡萄品種“スペシャルティーズ"をテーマにしたセミナーの他、加盟ワイナリーの代表的なワインを集めてのフリー・テイスティングなどを通じて?Aスイスワインの現況や将来像が探られた。
 観光立国スイスならではのホスピタリティあふれるもてなし振りとワインの造り手達との交歓を通して、スイスワインの神髄に触れる絶好の機会となった。

スイスは寒冷な栽培地域か
 高峻なアルプスの山々に囲まれたスイス。大方の日本人は、緯度も標高も高く夏場も冷涼な国というイメージが強い。
 葡萄栽培の北限は一般に北緯50度以内といわれる。ヨーロッパで言えば、チェコのプラハ、ドイツのマインツ辺りがちょうどこの北緯50度に位置しているが、スイスのワイン産地はこれよりはるかに南だ。最北端部、ドイツ語圏の葡萄栽培地でもおおむね北緯47度、南西にあるレマン湖周辺の緯度はおおむね 46.5度。フランスで言えばブルゴーニュ南部のコート・シャロネーズやジュラ地方とちょうど同じであり、概して日?ニには恵まれている。

政府と州レベルにおける原産地規定
 葡萄栽培は全州(26カントン)のどこでも行われている。かつてはその葡萄品種が人気だとか、多収量だという理由だけであまり適切でないところでもかまわず葡萄が栽培されていたこともあったようだが、今は中央および地方政府の各種研究期間の指導のもと適地適品種の研究が進み、その地方固有の特徴を備えた品種が栽培されるようになった。
 1979年に制定された連邦政府のワイン法は原産地統制名称(AOC)に該当するワインの単位あたり収量の上限を定めている。白ワインなら1.4kg/m2(歩留まり7.5掛けとして、約105hl/ha)、赤ワインなら1.2kg/m2(90hl/ha)。単位面積を通常使われるhaあたりでなくm2あたりで規定してい?驍ニころがいかにもスイスらしい。平坦地の畑が少なく、湖からせり上がる急峻な傾斜地を削って石垣で土止めし、わずかな奥行きのテラスに?ケいぜい2列か3列の葡萄を植えているような畑が多いスイスでは、haあたりという大まかな規定では意味をなさないという事情があるようだ。
 AOCの実際上の規定は各カントンごとの裁量にゆだねられており、更に厳しい単位収量規定や原産地呼称の区画、そこで植えられる葡萄品種、栽培方法、収穫時の最低糖度、醸造方法、ワインの有機成分の分析なども州政府単位で決めている。


繊細に表情を変えるシャスラー
 スイスといえばシャスラーをまず挙げなけれならない。シャスラーはスイス全土の葡萄栽培地の45%、生産量でいえば60%を占めるスイスの葡萄品種の代表選手的な存在だ。世界的にみれば、シャスラー種の起源はエジプトともいわれアルザス地方やロワール中央部(プイィ・シュール?Eロワール)でも栽培されているが、高い評価を受けているとは言い難い。スイスのシャスラーは一般にフルーティで切れ味の良い辛口ワインに仕上がり、押し出しの強さよりデリカシーを楽しむタイプ。この種のワインは、概して日本料理にぴったりと言える。土壌に敏感に反応しやすい性質があり、各地方ごと、醸造方法の違いによって微妙な変化を見せる。特に、スイス南西部のフランス語圏で多く栽培され、ヴォー地域ではデザレー、ヴァレー地方ではファンダンと呼び名が変わる。シャスラーは長熱型のワインでもある。「シャスラーを試飲をするときはまずワインそのものに“耳を傾ける"姿勢が大事だ。ボルドーワインのように何度もスワリングしてしまうと、微妙な香りのタッチが分からなくなっ?トしまう」「最近は世界中でビッグなワインが好まれているが、シャスラーはこれとは全く別のワイン。小粒ながら、凝縮した味わいに特徴がある」と、ミリアム・ブロッギさん。スイスの最優秀ソムリエの肩書きを持ち、現在ワインとレストランのコンサルタントとして活躍している方だ。
 セミナー参加者に代表的な土質のかけらを回しながら、産地ごと、造りの違いごとに表情を変えるシャスラーの特徴を次のように解説する。軽めの粘土質土壌をもつジュネーヴァ・カントンの「ル・ペリエールシャスラー・ド・ジュネヴァ1998」は花の香りの穏やかなアロマ、リンゴの香りを伴った心地よい酸が特徴。他の白ワインとは異なり、伝統的にシャスラーはマロラクティック発酵をされる場合が多いが、このワインはMLFはしていない。花崗岩土壌で、湖岸一帯に砂質が混じるヌーシャテルのドメーヌE.デ・モントモラン社の「ヌーシャテル・ブラン1998」酸化鉄のような少しこもった香りがシャスラーにも反映している。
 一方、ヴォー地域のシャスラーも産地と造り手のスタイルを反映して、例えばラック・プッシーの「デザレー・シェミン・デ・フェル1997」は火打ち石の香り、酸のアタックが柔らかで複雑みを感じさせるワインだが、同じヴォー地域でありながらMLFをしていないドメーヌ・ルイス?Eヴォヴァールの「キャラマン1997」は攻撃的ではないが生き生きとした酸に特徴があり、リッチな味わい。料理と合わせて十分に楽しめるワ?Cンだ。シャスラーをファンダンと呼称しているヴァレー地方にもさまざまなワインがある。片岩の白亜質土壌で育まれたフレデリック・ヴ・ヴァンの「ファンダン・デ・シオン・ウヴリエール 1997」は緑がかった色調とアーモンドの香り、オイリーな味わいを持っているが、ロべ一ル・ジローの「レ・ムレッテ1998」は同じ片岩質土壌ながらシュールリー製法で造られたシャスラーで、こちらは軽く発泡している…といった具合。
 シャスラーに次いで重要な白葡萄品種はリースリングとシルヴァーナーを掛け合わせたミュラー・トゥルガウで、こちらはスイス全栽培面積の5%ほど。
 白品種で次に重要なのはシルヴァーナー種。ヴァレー地方で広く栽培されるこの品種は、ヨハニスベルグとも呼ばれ、シャスラーよりも生育が遅く、よりボディがあり、ブーケと酸も豊かなワインを産出している。
 このほか、ヴァレー地方ではマルバジアとも呼ばれるピノグリ、ジュネヴァやヌーシャテルで造られているシャルドネ、ゲブルツトラミネールなども比較的多く栽培されている。


ピノ・ノワール種のロゼ
「オイ・デュ・ペルドリ」
 黒葡萄の代表選手はピノ・ノワール種で、全作付け面積の27%を占める。スイス全土で栽培されているが、スパークリングワインも産出する?kーシャテル地方では唯一、AOCに認定されている品種だ。この地でピノ・ノワールを圧搾せずに造られる「オイ・ドゥ・ペルドリ(0eil-de-Perdrix)」はベリーのアロマ持つエレガントなロゼワイン、スイス独特のものだ。また、ヴォーやヴァレー地方ではガメイ(作付け面積14%)など他の品種とのブレンド用としても使われ、ヴォー地方ではサルヴァニン(Sa1vagnin)、ヴァレー州ではドール(Dole)と呼び慣わされている。
 14%の作付け面積を占めるガメイも重要で、特に西部フランス語圏で栽培。
 またティッチーノ地方ではメルロー種が全体の85%を占めている。「'97年から導入された原産地統制ではm2当たり1?を最大収量と定めてい?驕B '85年からはバリックによる熟成も行われており、ステンレススティルや容量1万5,OO0lのオークの大樽との併用、あるいはカベルネ・フランとのブレンドなどさまざまな試みが行われている。既に、国際的な品評全でも数々の賞を獲得しており、将来に向けてのポテンシャルは十分だ」と、メルローをテーマにしたセミナーを担当したワインメーカーのグイド・ブリヴィオ氏。

60種に及ぶ「スペシャリティーズ」
 ワイン探しの楽しみを与えてくれるスイスのもう一つの特徴は、各地で栽培されている固有品種「スペシャリティーズ」の存在だ。その数は白葡萄品種で45、黒葡萄で18にも及ぶ。
 ヴァレー地方でのみ栽培されているウマニ・ルージュ(Humagne Rouge)は熟成が遅く、通常11月になって収穫される。カシスなどの黒系果実?フ香りが豊かで、酸もしっかりとしている。
 同じく、ヴァレー地方の一部で造られているコルナラン(Cornalin)。ちょっとスパイシーな果実香と、タニックだがまろやかさと甘さを兼ね備えたワインは淡い色調の赤が多いスイスワインの中では異色。このコナランをべ一スにウマニ・ルージュとシラーをブレンドした現代的なスタイルのワイン「シャトー・リヒテン1997」も造られている。但し、コルナランの作付け面積はスイス全土で30ha。単位当たりの収量も少なく、市場で見つけるのがなかなか難しいワインでもある。
 白ワイン用品種のスペシャリティーズで挙げなければならないのがアミーニュ(Amigne)とプティ・アルヴィン(Petit Arvine)。両品種ともヴァレー地方だけで栽培されるスイス固有品種のひとつだ。アミーニュも作付け面積がわずか20haという希少性の高いワイン。マンダリンや蜂蜜の香りがあり、クリーミーな酸が特徴。この貴腐葡萄から造られるワイン「ミティス(Mitis)」は酸と甘みがバランスして独特の心地よいデザ?[トワインに仕上げられている。

【ヴァレー】
 スイス全体のワイン生産量のおよそ3分の一を担っているヴァレー州。峻厳なマックポルソー帯に端を発し束から西へと流れるローヌ河は、?r中マルティニの町で北西へと向きを変え、レマン湖へと流れ込んでいる。この地の葡萄栽培地帯はそのローヌ河岸に沿って広がっている。
 北と南をアルプスの頂きに囲まれた谷筋一帯は雨量も少なく、年間日照時間は約2100時間とスイス国内で最も恵まれた温暖な気候下にある。主として右岸の、入り組んだ丘の急峻な斜面に拓かれた畑は南に面し陽光を一杯に受けているが、さらに、川面から立ち上がる霧と、山から吹きおりるフェーン風が気温の低下を防ぎ葡萄の成育を促している。
 畑の標高はおよそ400m〜1,OOOm。特に上流域のフィスパーテルミネンの畑は標高1100mと、ヨーロッパで最も高い高地にある。
 ここで栽培されている葡萄品種はシャスラーが半分近くを占め、次いでピノ・ノワール27%、ガメイ15%。この3種で9割近くを占めているが、量は少ないながら微気候を反映してさまざまな固有品種が栽培されている。
 総作付け面積5,200haの畑は延べ2万3,OOO弱の栽培農家によって所有されている。大半の栽培農家は零細であり、収穫した葡萄は協同組合が?るいは700近いワイン生産者へと販売されている。

ロベール・ジロー:Sion
 大手生産家のひとつ、ロべ一ル・ジローSAはヴァレー州の州都シオンに1885年に設立されたワイナリー。特にシャスラー種から造られ厚みとバランスに優れた「シオン・レ・ムレット」など、輸出市場でも高品質ワインの造り手として評価されてきた。
 自社畑は延べ38ha。ローヌ河の支流、シオンの街を一望する高台にある畑での作業は、山の反対側から掘り進んだトンネルを行き来して行われている。足を踏み外せばそのまま谷底まで転げ落ちてしまうような急傾斜に、畝問80?ほどの間隔で葡萄樹がゴブレ式に植えられている。畑は区画ごと、右を積み上げた壁で遮られているので、収穫された葡萄を入れた容器は空中ケーブルを使って運ばれる。平均樹齢はおよそ15年。ha当たり1万本の高い密植度合いで、単位当たり収量は1〜1.2?/m2。「乾燥気候なので、潅概は年に2回ほど。赤蜘蛛対策として、特殊な捕食?獅??オている」と、総支配人のウイリー・ベッカー氏。
 同ワイナリーは新しいワインの開発にも意欲的で、単一畑のシャスラー種から造られる「ドメーヌ・デ・ラ・コツェット1997」はシュールリー製法を取り入れ、果実香の厚みが印象的。またシャスラー75%をべ一スに、エルミタージュ20%、プティ・アルヴィン5%をブレンドし、発酵を途中で止めた「Frenesie」は、ちょっと甘口のワイン。日本向けと香港向けに特別に開発された商品だという。

マティエ・クシュラー:Salquenen
 シオンの南、サルキネンに1936年に設立された同族経営のワイナリー。出荷されるワインは全て「ヴァン・デ・シュヴァリエ」のブランド名と馬にまたがった騎士の図柄をあしらった印象的なラベルで統一されている。
 自社畑は14haで、年間総生産量70万lに対する原料葡萄の自社畑比率は15〜20%ほど。このワイナリーからはドール、ピノ・ノワール、オイ・ドゥ・ペルドリ、ファンダン、ヨハニスベルクなどのワインの他、アプリコットやウィリアムを使ったオードヴィも造られている。特にピノ・ノワール95%、ガメイ5%から造られる「ドールヴァン・デ・シュヴァリエリザーヴ」は、ha当たりの収量を35hlまで抑えた厳選した葡萄を使用?オ、伝統的な開放型の発酵槽を使って造られる。
 「新樽を使うと土壌に由来する葡萄の香りがスポイルされてしまう」と、現当主のレイモンド・マティエ氏は語る。

●ボン・ぺ一ル・ゲルマニエ・バラボー:Vetroz
 1896年、シオンの西方ヴェトロスにゲルマニエ家によって創設されたワイナリー。60haの畑から、年産10万lのワインを産出。現在は3代目のジャン・レネ・ゲルマニエ氏が4代目のジリ・ベス・ゲルマニエ氏とともにワイン造りを行っている。小石混じりの陽光に恵まれたこの土他を?チ徴付けているのは、何と言ってもアミーニュ種。ヴァレー・カントンには20haほどのアミ一ニュの畑があるが、この内15haがこの地区に集中?Bゲルマニエでは年間 6000〜2万lほどのアミーニュを生産している。遅摘みした葡萄を新樽100%で発酵し、一年間熟成されたこの「ミティス・アミーニュ」は程良い酸味とフルーティでコクのある甘口ワイン。
 '92年から'97年にかけて垂直試飲した印象では、特に'94年産が色調も濃く凝縮度が高い。蜂蜜の香りと生き生きとした酸が糖と心地よくバ?宴塔Xしている。若いワインは樽香が強く出やすいが、長い熟成を楽しむことができる。このワイナリーが造るオードヴィ「ポアレ・ウイリア?¥」も出色。同行したアメリカのジャーナリストにも評価は高かった。

【ヴォー・カントン】
 全スイスの25.5%、ヴァレー州に次いで大きな葡萄栽培面積を擁しているのがヴォー・カントンである。レマン湖の東端から西のジュネーヴ?wと、北側の湖岸に沿って延びている畑は、変化に富んだ景観と土壌をもち、全体の80%を占めるシャスラーに微妙なニュアンスを与えている。
 ヌーシャテル湖の西側に広がるボンヴイラー地区を含め、カントンの栽培地は4つの地域に大別される。湖の東端ヴィルヌーブからローヌ河?ノ沿って南に延びるシャブレ地域と、レマン湖の東側、湖面からせり上がるように急峻なテラス上の葡萄畑が広がるラヴォー地域。そして、ロ?[ザンヌからジュネーヴに向かって比較的なだらかなスロープを見せるラ・コート地域。
 とりわけ重要な地域が、著名なデザレ、カラマン、エペッス、サン・サフォランなどを抱えるラヴォー地域である。ラヴォーは「豊か」という意味があるとか。直射日光と湖面からの照り返し、そして石壁の輻射熱と、この地方には3つの太陽があると言われている。ラヴォーのシャ?Xラーは骨格がしっかりとしたリッチな味わいが特徴。とりわけデザレは蜂蜜の香りが豊かで、ちょっと焦げたような味わいをかもしている。

●ドメーヌ・ルイ・ポバール:Cully
 湖岸に接した小さな村、キュリーに醸造所を構えるドメーヌ。デザレやカラマンといったグランクリュの畑17haを所有し、辛口白ワインの造り手として評価の高いワイナリーのひとつだ。
 ワインスペクテーター誌で88点を獲得した「デザレ<メディネット>1995」。平均斜度33度の畑にゴブレ仕立てでha当たり1万 2000本の密植度で栽培された葡萄を使い、8〜12か月間オークの樽で寝かせて造られている。ピーチや柑橘系の香りに加えて樽香が厚みを与えている。このワ?Cンは伝統製法に則りマロラクティック発酵100%だが、同じシャスラーでも「カマランキュヴェスペシャル1995」はMLFをせず、タンクで18か月熟成している。「古い消費者は伝統的なデザレ・スタイルに愛着があるけれど、、若い消費者はフレッシュな酸が生きた新しいスタイルの方を好んでいます。ジュネーブの生産者はすでにもっとインターナショナルな方向に造りを切り替えているようです」と、アンヌ・クリスティーヌ・ポヴァールさん。

●ラック・マッシー:pesses
 エヘッセの町の車2台が行き交うのがやっというメインストリートに面して、ワイナリーが建っている。現当主のラック・マッシー氏は3代目。ワイナリーのすぐ後ろに広がるクロデュヴォーの畑10haには、平均樹齢22〜25年というゴブレ仕立てのシャスラー種がha当たり1万1000本の?ы?ナ植えられている。6月初めに蔓を結び、7月末から
8月にかけて夏季勢定を行うという。このワイナリーではエヘッセ、サン・サフォラン、デザレーの3種のシャスラーワインをリリースしているが、粘土質の重い土壌を持つエペッセのシャスラ一はミネラル香が強く、石灰質土壌のサン・サフォランのそれは軽めの味わいが特徴。「AOC?フ規定では最低エクスレ度は 64度。この畑では通常74〜75度だが、'98年は80度まで上がった。グレート・ヴィンテージだ」。

●シェンク:Rolle
 ブルゴーニュのアンリ・ド・ヴィラモンをはじめとして、ボルドーイタリア、スペインなどでワイナリーを経営するスイス最大のワイナリー・グループ。スイス国内でも傘下のグループ会社を通じて、手広く葡萄園経営や国内外ワインの販売を行っている。ローザンヌとジュネーヴの中間点、ロールにあるシェンクの本社ワイナリーは大型のバスラン式圧搾機や、発酵・貯酒タンクなどがずらりと並んでいる。白い建物の外観も内部も極めてクリーンな近代工場そのものだ。現在、45のワイナリーがグループ傘下に組み込まれ、年間生産量2100万本(この内45%がスイスワイン)のワインが販売されている。輸出比率は5%。ドイツ、スペインと並んで日本へも傘下ワイナリー「カーヴ・デ・ジョリモン社」が造るシャスラーの辛口ワイン『レ・ザリュエット』が輸出されている。

【ヌーシャテル】
 スイスで一番小さなワイン生産カントンで、近接した三つの湖のそれぞれ西側に葡萄畑が広がっている。湖のおかげで年間平均気温は9.2度?ニ比較的温暖。しかし、秋には霧が発生しやすい。
 石灰岩質土壌のヌーシャテルで造られるシャスラーは生き生きとして僅かに発泡しているのが特徴。また構成のしっかりとしたピノ・ノワールもこの地を特徴付けている品種であり、サーモンピンクのロゼワイン「オイ・ドゥ・ペルドリ」の発祥地でもある。

●モウラー:Motier
 3つの湖の中で一番小さなモレ湖畔のモティエールに1829年に創設されたスパークリングワイン専業ワイナリー。
 修道院跡にあるワイナリーの地下では、伝統的なシャンパン製法で造られるスパークリングワインが1万7000本眠っている。別の場所の貯蔵?ノを合わせたストック量はおよそ200万本。最長5年寝かされたスパークリングが年間50万本のぺ一スで出荷されている。ヌーシャテル産のピノ?Eノワール50%に、 40%のシャルドネと、フランスから買い人れた葡萄10%をブレンドし、36か月寝かして造られる「キュヴェ・デ・リザーヴ・?uリュット」は厚みがあり、イースティ。またピノ・ノワール70%を使った「キュヴェ・エクセレソト・ブリュット」は気泡の立ち上りが長く続き、ドライな味わいと共にフルーティ香が心土也よい。
 「リザーブワインの貯酒は100%ステンレスでやっている。昔はオークカスクも使っていたが、我々はより軽く新鮮で、決して重すぎないワインを目指している」と、シェブデカーヴのジェラール・ムニエ氏はその意図するところを語っている。

●ドメーヌ・ドゥ・モモラン:AuVernie
 ヌーシャテル湖の湖畔オーヴェニールに1982年に創設。現オーナーのピエール・ドゥ・モモラン氏は2代目。47haの自社畑を所有、肥料や除?錐ワを一切使わないオーガニック手法で葡萄を栽培している。白ワインでは辛口でミネラリーなシャスラー、木樽で1年間発酵・熟成させたシャルドネ、一昼夜マセラシオン・ペリキューレした厚みのあるピノ・グリ、また、ピノ・ノワールを使い、クラッシュしないでそのままプレスして造る「ペルドリ・ブランシュ」などユニークで意欲的なワインを度み出している。
 特に、お勧めはピノ・ノワール。新樽と1年樽、2年樽を1/3ずつ用いた'96年産はラズベリーの香りが豊か。100%新樽で熟成した'97年産にも?駐クの凝縮感が感じられ、年数の若さにも拘わらず夕ンニンがまろやかだ。

WANDSより

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