親御さんが最も多く動物病院につれていかれるお子さんの皮膚の症状はどのようなものでしょう? 最も一般的な症状の一つとして挙げられるのは、 身体をいつも以上に舐めたり、噛んだり、擦りつけたりといった異常な行動ではないでしょうか。 また、これに伴い目に見えての脱毛や悪臭を伴う炎症を引き起こしてたりではないでしょうか。 このように、痒み(かゆみ)を伴う疾患を、掻痒(そうよう)性疾患と呼んでいます。 今回はこの掻痒性疾患について簡単にお話しさせて頂きます。 かゆみがある場合、まず確認する必要があるのは、 A:発疹のある痒み B:痒みのある発疹 この判別(判定)が診断を下す上においても重要な要素となってきます。 一見、同じように見えますが、 Aは、発疹はあるが、それ以外も痒がっており、言い換えれば、 痒がっている中に発疹があるとでもいえるような状態のように思います。 Bは、発疹そのものを異常に痒がる状態のように思います。 ただこのことを見極めるのは困難な場合が多く存在し、親御さんに判断がつかない場合もあります。 ではなぜこの二つの判別が役に立つのかがお知りになられたいことでしょう。 これは、アレルギー性皮膚病か炎症性皮膚病の有無に関する情報を与えてくれるからです。 アレルギー性皮膚や、炎症性皮膚炎については今後にお話しさせて頂こうと思っています。 親御さんがこれらの症状を伴ったお子さんを病院にお連れになる際、 ご用意していただきたいものがあります。(これらの症状以外の時でも必要かと思っています) キーワードは【シグナルメント&ヒストリー】です。 以下にまとめていますので、頭の片隅において受診なされば、獣医師の診断に優位になることは間違いのないことだと信じています。 |
受診される前に、以下の項目に答えていただき、一覧表をご用意していただくと良いかと思います。 獣医師の診断において、とても大切な事となってくるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。 |
○年齢 ○性別 ○避妊手術または去勢手術を行ったか ○女の子であれば発情(排卵前出血)はいつなのか (一年を通しいつなのか、その時期の体の状態、 偽妊娠を起こすか、など) ○お産経験はあるのか(いつどうだったのか) ○犬猫の種類(品種、混血の場合、わかる範囲の親の品種) |
○一緒に生活を始めた年齢 ○どこから来たのか(入手先) ○来院の理由(どのような症状でお越しになられたか) ○いつからの症状か(初めてその症状に気が付いたのはいつか) ○その症状が現れる前に何らかの症状があったのか ○発症状態は(突然の発症なのか、徐々に強く現れてきたのか) ○季節性があるのか(春、夏、秋、冬いつどのように変化があるのか、 それとも季節が関係なく一年中なのか) ○どの部分が強く出ているのか (今はここだが前はどこだったのか、どの部分から始まったのか、など) ○その状態はどのような仕草をするのか(その時の様子は) 痒がっているのは常になのか時々、朝方、日中、夜間、いつが多いのか ○親御さんやご家族に痒みや皮膚に湿疹などのトラブルがないか |
○生活範囲の中で他に動物がいないか ○他の動物がいる場合、その子の皮膚に発疹などの問題はないか ○お子さんの生活環境は(室内、室外、室外に出される時の環境、散歩環境) ○どのような環境で寝ているのか、生活しているのか (敷物など、室内であればその環境) |
○どのような容器で飲水や食事をしているのか (プラスチック、陶器その他) ○リードや首輪や衣服を着せているのであれば、 どのような時に着用し、どのような素材の物なのか ○一緒に生活を始める時に身体のトラブルはなかったか ○一緒に生活を始めてから何か気がついたことはなかったか (何かを与えたら吐いた、便が柔らかくなった、皮膚が赤くなった、痒がった、湿疹が出た、など) ○今までに受診されたことはあるのか ○今までの病歴はあるのか(今回のような痒みのある症状だけでなく、それ以外の病気も含む) |
○これまでに受けた診断や検査があれば、それらの内容 ○薬を使ったことがあるのか、どのような薬か |
○同じ症状で受診されたことがあるのか(あれば上三つの内容は、使った薬の 内容はわかるのか:外用薬、経口薬、注射等そしてどのような結果だったのか) ○原因としてのお心当たりはあるのか (こうすれば、これを食べさすと、シャンプーやトリミングの後など) ○ノミやダニは見たことがあるか、最後に見たのはいつか (今はいなくても、いつにはいたなどで他に動物がいているのであればそれらも含めて) ○ノミやダニの予防歴、その方法は ○その子の両親の状態(同じような症状があるのか他に疾患はあったのか) |
○兄弟が分かっていればその子たちの状態は (同じような症状があるのか、何かの病気になっていないか) ○食事やおやつの内容、種類は(症状が発現する前に変えたのか) ○現時点で何らかの治療を行っているのか ○サプリメントなどは投与しているのか(内容、いつからなのか) ○親御さんから何か伝えておきたいことはあるのか (獣医師にあるいは診断に役立つと思われることはあるのか) |
以上の様なことが大切になってくると思います。 決して血液検査や他の検査ですべてが分かるものではないと思っています。 これを作成することで、獣医師に、より的確な診断をしてもらい、少しでも費用を(検査を減らす事で)抑える事が出来るのではないでしょうか。 また獣医さんも親御さんに一目置いてくださると思います (どなたも同じ患者さんですし接し方に差はないのですが・・・) 今回は動物病院にかかる前の、ちょっと覚えておけば良いのではないか、と思うことをお話しさせて頂きました。 |
今回は皮膚病を中心に書かせて頂きましたが、もちろんそのほかの疾患においても同様の事柄を念頭に置かれ、
[シグナルメント&ヒストリー表]を作成され、動物病院へお持ち頂ければ良いように思っています。
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次回からは少し踏み込んでみようと思っています。 個々の疾患も踏まえさせて頂きたく思っています。 最後になりましたが、皆様方ならもうおわかりだと思いますが、 逆に考えれば、 「痒がっているんです」 「そうですか、検査しましょう」 はまだ良いでしょう。 |
「じゃ、お注射をしてお薬を出しましょう」 では、根本的解決にはならないように思います。 痒みだけでも上記のやり取りをしなければいけないように思っています。 多くの質問に多くの時間を費やし、親御さんにとっては面倒な時間を過ごして頂かなければならず申し訳ないとは思いますが、 お子さんの今後の事がほんの小さなささいな事で原因究明に繋がる事は少なくはありません。 大変かもしれませんが、その折は「そんなこと関係がないだろう」と思わず、しばらくの間、獣医師にお付き合い下さいますようお願いいたします。 |
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