以前にお話しさせて頂いた様に、 日常生活でのちょっとした事で、 将来に起こりうる身体の変化を少しでも良い状態にしてあげたい、 ちょっとでも悪くなるのを少なくしてあげたい。 それは、どの様なご意見を持たれていようが皆が願う共通した思いだと思います。 そして将来というと老化もその一つではないでしょうか。 老化という現象は、生きとし生けるものにおいては避けては通れない事実であり、 この老化にともなって起こる身体の変化の中には様々な事があると思います。 その中には、幼い頃からの積み重ねられた食生活が関与している場合が少なからず存在しているように思います。 今回はその中の一つをお話しさせて頂きたいと思います。 |
お子さんがそばに来られた時、色々な臭いが存在すると思います。 その一つに口臭と言う耐えがたい?臭いがあるように思います。 そもそも臭いとは、「匂い」や「香り」の様な一般的に良いにおいではなく、 多くは腐敗臭を意味しているように思います。 この腐敗臭がなぜ出来るのかと言うと 腐敗細菌が繁殖する事によって発せられる臭いかと思います。 お分かりかと思いますが、口臭とは、お口の中で少なからずとも 菌が繁殖していると思っても良いかと思います。 |
もちろん菌が繁殖するには繁殖に適した環境が無ければならないのではないでしょうか。 口の中でその様な環境とは何なのか? その主な環境要因の一つとして、食べ物の付着があるのではないでしょうか。 では、食べ物の付着を防ぐにはどのようにすればよいのでしょうか。 皆さんもお分かりの通り、歯磨き薬、歯石除去薬、歯石除去のおやつやフード、 そして最たるものが麻酔(全身麻酔)をかけて行う歯石除去処置・・・、 などを思い浮かべられる事と思います。もちろんその通りだと思います。 私はそれらを使用しなければならない状態になるのを少しでも軽減してあげれればと思っています。 まして、歯石を取るのに全身麻酔を年に1〜2回行うことが身体に良いとは思えません。 人において、お子さんやお年を召された方に毎年全身麻酔を行なうことに 抵抗の無い親御さんはあまりいらっしゃらない事かと思います。 |
ではどうすればよいのか、 人は[予防]という観念がある為、朝目覚めた後や、夜お休みになられる前に歯を磨き、 食事の後にうがいや歯磨きをされることでしょう。 食事の後はされていない方もいらっしゃるかと思いますが、 食事の後でお茶やお水を飲まれることが多いと思います。これがうがいの役目を少なからずしているように思います。 お茶は殺菌効果もあると伺っています。 そこで、お子さん(犬・猫)にも行って頂きたいことがあります。 「お水の飲ませ方」です。 「水は好きな時に飲める様、常に置いておく。」 これがある意味常識になっているように思われます。 |
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が、私はそうは思っていません。 一日数回水を飲めば脱水に至ることは無く、十分な水分補給が出来るものと思っています。 (尿毒症(一部を除く)・糖尿病・尿崩症・膀胱尿道結石・・・その他疾患を除く) お水は新鮮なものを飲むだけ飲んだら取り上げ、常に置いておく必要は無いと思っています。 そしてお水を与える時は食後にしてあげ、もう少しあげたい時は食間に与えれば、 自分自身で必要量を飲むはずではないでしょうか。(炎天下高温時での放置は別にして・・・。) [食事が終わった時点でお水を置ける様な時間配分をして頂くこと]が大切になってきます。 この事により、食後、歯間などに残っている食塊(残渣物)が飲水により洗い流されるという 「疑似うがい」とでも言いましょうか、良い効果が現れる様に思います。 当然、毎回行うことが大切になってきます。 歯間の食塊が口腔内細菌の増殖場所に成り、重なり合って歯石になっていく要因の一つであるがゆえ、 これは、大切な予防ともいえる行為だと思っています。 ちょっとお行儀の悪い人が唾を吐く様に、 犬が道端で「ペッ」っと唾を吐いているのを見られた事がありますか? 歯に挟まった物を取る「シーシー」と息を吸い込むような仕草をしているのを見られた事がありますか? どちらも無いと思います。 犬には食塊を取る手段が余り無い様に思います。 一つでもその手段を親御さんが与えてあげるのも必要な予防かとも思います。 もちろんガーゼや、歯ブラシで磨いてあげるのはそれ以上だと思います。 が、お口を触られるのが嫌なお子さんもいらっしゃることかと思います。 (余談になりますが、最近まで犬には虫歯が無いと言われていたように思いますが、 最近食生活の変化や多種多様なおやつのせいか、遺伝的変化なのか、虫歯が問いただされ始めているようです。) |
この様な飲水方法は歯石・歯周囲炎・口臭などの予防だけではなく、他にもいくつかの利点がある様に思います。 その様な事を一つお話しさせて頂きます。 |
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毎年、夏になったら便が緩く下痢になる。(季節性?夏季習慣性軟便症?) その季節になったら整腸剤やら下痢止めやら食事の変更やらで大変ご心痛な時期を過ごされておられた方で、先程お話ししたような方法に変えて頂くことにより、今までの医療的加護が嘘のように必要無くなった場合があります。 (一人ひとりに適合は違いますので、主治医さんにご相談下さい) この原因として、夏場など気温が高くなることによる、置かれてあるお水の温度の上昇が考えられると思います。 |
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ご存知なように、お水の温度が37度位まで上がれば菌の繁殖が活発になり、水が腐るという現象にもつながります。 ましてや犬が水を飲んだ後はどうでしょう? 色々なものが浮いている(先ほどお話しをした、疑似うがいのお口の汚れなど)のを見られた事もあろうかと思います。 その中には細菌も混じっている事が多く、次に飲む時には・・・・・。 細菌性腸炎や日和見感染性腸炎などに・・・という結果になる場合もあるかもしれません。 (他にも水分多給性腸炎などもあるでしょうが詳細はまたの機会に。) お水の与え方には色々なお考えもあるとは思いますが、 この様な分散型(定期型)には、糖尿病や心疾患など病気の前兆を、早く知る事が出来る等の利点がある様にも思います。 今日は、この頃、・・・お水をよく飲むな、何か日に日に量が増えてきているな・・・ 色々気付く点が出てくるでしょう。 これらも大切な前兆の一つである事は間違いないと思います。 ただ、疾患によっては常時飲水をして頂かなければならない場合もあり、主治医さんにご相談されるのも良いかと思います。 お水のやり方一つでも未来が変る事もある。少しだけそう考えてみて下さい。 たかが水。 されど水。 小さな事からコツコツと。 やがては大きな良い結果に結びつくものだと思います。 小さな積み重ねは、えてして結果として見えにくいものではないでしょうか。 それだけに、身体への変調を来さず生活が出来てきたのではないでしょうか。 それこそが、 最も良い結果といえるものだと思います。 ※その反対もありうる事にご注意を! |