火災報知器設置入門(1)

■火災報知器(火災警報機)設置入門〈1〉■

 平成18年(2006年)6月1日より、今まで規制の無かった500平方メートル未満の新築住宅への、住宅用火災警報器の設置が、法律により義務づけられます。ここではその詳細について解説しています。
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なぜ住宅用火災警報器は必要なの?

 サイレンを響かせながら街中を消防車が走っていく……どなたも一度は目にしたことがある風景でしょう。 住宅火災による死者数(放火自殺者を除く)は、年々増加する傾向にあり、平成16年には1009人もの方が火災により亡くなっています。そのうち、約6割が逃げ遅れによるもの(※1)であり、また約6割が65歳以上(※2)ということから、火災発見、また発見した後の行動のわずかな遅れが重大な被害をもたらすことが分かります。

 そして、一般住宅の火災による死者数は、建物火災全体の約9割(※3)を占めます。多くの人が集まって、一見危険そうに思える店舗やホテルなどよりも、普通の住宅火事によって人が亡くなる被害が圧倒的に多いことが分かります。

[グラフ1] [グラフ2] [グラフ3]
※1:火災による死亡者の約6割が逃げ遅れによるもの。
※2:火災による死亡者の約6割が65歳以上。
※3:一般住宅の火災による死者数は、建物火災全体の約9割

 街頭ポスターや回覧板など、地道な広報・普及活動で効果が見えにくかった一般住宅の防火対策に、いよいよ今回、抜本的な見直しとして法律による住宅用火災警報器の設置が義務化されます。これは今年(平成18年)の6月1日よりスタートし、その後新築で建てられる住宅はもちろん、既存の住宅にもすべて火災警報器を取り付ける義務が発生します。 ※既存住宅の場合は、設置完了までの期日を各市町村の条例で定めています(自治体により異なりますが、最大5年の猶予期間があります)。詳しくは各市町村の窓口へお問い合わせください。

 火災警報器というと、店舗や公共施設などで天井に付いている小さくて白い装置をご覧になったことがある方も多いでしょう。「火事の時にただ音を出すだけで、果たして役に立つんだろうか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。これがなかなかどうして、とても頼りになるシロモノなのです。なぜかといえば、警報器を取り付けることで火事の早期発見につながるからです。

 例えば、火事になるケースとして、、

  • 揚げ物料理の真っ最中、突然の電話や来客で目を放したすきに……
  • ついつい寝タバコ、ウトウトしてたらタバコが布団の上にポトリ……
  • ストーブの真上に干した洗濯物が、ハンガーからするりとすべってストーブの上に……
  • 小さな子供が見つけたお父さんのライター。「パパいつもこうやっていたっけ」……

 ……という例はいくらでもあります。こんな時、気づいたときには手が付けられない状態になっていた……ということも多いものです。

 火災警報器は、目の届かない場所も、寝ている間もあなたに代わって24時間休むことなく見張り、火災の前兆を発見したときは、大音量で周りに火事の危険をいち早く知らせてくれます。たったこれだけのことですが、これが被害を最小に食い止めるための最も有効な手段なのです。

■ ■ ■

 ここで、火災警報器が実際に役立つということを証明してくれる例を外国からご紹介します。

 1970年代のアメリカでは住宅火災による死者が年間約6,000人となっており、住宅火災は重大な社会問題としてとらえられていました。当時のベトナム戦争に並ぶほどの死者を出すというこの実態を重く見たニクソン政権は、火災による死者半減を目標に、簡易型の火災警報器を一般住宅に普及させるキャンペーンを大々的に行なったのです。

 70年代初めにはわずか4%程度の普及率だった火災警報器は徐々に家庭に浸透し、それとは逆に火災による死者の数は年々減少傾向をたどっていきます。そして2002年には、なんと94%の家庭に火災警報器が設置されるまでになり、その年の火災による死者の数は2,670人と、キャンペーン開始当時の目標である「死者半減」という数字を見事に達成しています。

[グラフ1]
アメリカは火災報知器を普及させるキャンペーンのおかげで、死者半減を実現した。

 そのほか、イギリスなどでも国家レベルでの火災警報器の設置推進が行なわれ、普及率の向上による火災死者の減少を実現してきました。

[グラフ1]
イギリスもまた火災報知器を設置推進キャンペーンのおかげで、死者減少を実現した。

また、日本においても、火災が発生した時に火災警報器がなかった場合と火災警報器があった場合では、あった時のほうが死者を出す確率が3分の1になるというデータがあります。

[グラフ1]
日本でも火災警報機があると死者を出す確率が大幅に減少する可能性がある。

これらのデータからも、火災警報器は確実に効果がある!ということがお分かりいただけると思います。


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